クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その147 ブルックナー 交響曲第8番 ハ短調

2009年04月06日 | とっておきの名盤「交響曲」
  
この曲のとっておきの名盤をこのブログで取り上げるのは、もう6回目になる。
私にとっても、数あるクラシックの曲の中で一番好きな曲を挙げよと言われたら、最初にあげるのはこの曲。
とっておきの名盤の棚のなかで一番枚数が多いのもこの曲だし、全部のCDの棚の中でも最も数を占めているのもこの曲。
第3楽章が最高に素晴らしく、よく”アダージョ”で称される真の癒しの音楽に、何度心を慰められたことか数え切れない。
ところでこのクナの8番、スケールの巨大さ、落ち着きと風格、彫りの深い表情、そして渋い味わいなど、どれをとっても最高の演奏を繰り広げてくれている。
特に第四楽章のコーダなどは、ブルックナーを聴く最高の醍醐味を聴くものに心底から与えてくれる。
演奏芸術の奇跡として、フルトヴェングラーの第9と並んで挙げられるものかもしれない。
演奏の素晴らしさとはうらはらに、クナが聴衆に対してよそよそしい態度をとったことは有名で、オペラなどではカーテンコールに答えることなどめったに無かったらしい。
あるコンサートでは、ブルックナーの巨大な最終音が鳴り響いた後、感動で静まり返った聴衆に向かって「終わりましたよ」と囁いて、次の瞬間そそくさと舞台を去っていったという。
面白い逸話を沢山残したクナの職人気質に私など愛着を覚えるし、こういう演奏家にもう一度めぐり合いたいと思う人が結構いるのではないだろうか。
この曲のとっておきの名盤をあげると以下の様になるが、ブルックナー、そして8番を愛する人は全部持つべき。
.ルドルフ・ケンペ指揮、チューリッヒ・トーンハーレ管弦楽団 <SOMM> 
.オトマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリン <Berlin Classics>
.ハンス・クナッパーツブッシュ指揮、ミュンヘン・フイルハーモニー管弦楽団 <Westminster>
.カール・シューリヒト指揮、ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団 <EMI>
.カルロ・マリア・ジュリーニ指揮、ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団 <Grammophon>
知られざる銘盤として、
・ホーレンシュタイン指揮、ウイーン・プロムジカ管弦楽団、1950年代の演奏<VOX>

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