今日は荒川センチュリーライド2009。泣きながら逃げ回る子どももいたから、ちょっと罪作りでもあった河童も参加だ。
ローディーたちがわんさといる。走っていると一人に抜かれる。そのうち、もう一人に抜かれる。ところがぼくを抜いた人たちが、ちょっとペースのいい人の後ろについて離れていかない。ぼくもそこにつく。誰かが提案したわけでもないのに、4人でトレインを組んで走ることになる。対向車があるからこっち寄るよ、先頭の手合図がパパパパと全員に伝わってくる。そこに穴があるよ、左の人差し指で地面を指し示すと、パパパパと全員が流れ作業で手合図。
初めて会って、顔も名前も知らない4人に流れるこの一体感はなに? ああ、ぼくたち4人は今ATフィールドを中和し合ってる。荒川河川敷でミニマム人類補完計画。
このまま別れてしまうのが惜しい。できたら、4人でアイドルデビューなどしてみたい。「グループ名はリーダーの生まれ年からサーティーナイナーズっていうのはど?」
「ぼくがリーダー?」なぜかリーダーに推されて戸惑うぼく。「じゃ、いわゆる「スマップで言うところの中居くん」的立ち居振る舞いを求められるわけかい」
まあ、でも、悪くない。フォーリーブスの後釜(もうすでに前釜の影さえ存在しないが)的ポジションを狙った昭和歌謡で勝負だ。
だが待てよ。楽屋で横柄な態度でたばこをすってる和田アキ子などにペコペコ頭を下げたりしなくてはならなそうで、それはかなりブルー。3人には申し訳ないが、やはりアイドルデビューは遠慮したい。
そんな風にぼくたちは一言も言葉を交わすことなく、15kmほど走ってバラバラに。
アイドルへの道は遠くて峻険だ。