毎日が観光

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菖蒲城趾あやめ園

2008年06月26日 13時37分32秒 | 観光


「熊楠は、顕花植物よりも、隠花植物のほうを深く愛した。それは隠花植物においては、生命の真実が裸の状態で、みずからを表現していたからだ。とりわけ粘菌である。そこには、生命についての真実の最高の「密教的表現」が実現されているように、彼には思われた。ポリフォニーのほがらかな存在の歌を去って、彼は深い生命の森の内奥に、踏み込んでいった。そのとき、彼の導きの原理となったのが、マンダラの思想なのである」(中沢新一「森のバロック」)

 ポリフォニーを西欧のアイデンティティとしてとらえ、それに対する南方熊楠の考えかたをマンダラ的と説明する中沢新一の論は、ここにははしょってしまった前提をよく読んでみると実にわかりやすい。
 ぼくも熊楠の思想は、これからますますアクチュアリティを持つ、と思っているのだが、今回は、だけど、顕花植物見物である。
 こないだ堀切菖蒲園に菖蒲を見に行って思い出したのだけれど、埼玉県にその名も「菖蒲町」という町がある。この町に菖蒲がなくて、世界のどこに菖蒲があろうか、と調べてみると案の定菖蒲園。しかも菖蒲とラベンダーの町だと言う。これは行かねばなるまい、と自転車にまたがり、いつもの荒川サイクリングロードへ。ここをちょこっとだけ走って、芝川サイクリングロードに移り、さらに見沼代用水東縁ヘルシーロード。ヘルシーロードっていうネーミングがいいね。なんだか、ナウなヤングにバカ受けみたいな語感がたまらない。そこいくと旧江戸川なんて、古風だ。「健康の道」だもん、カタカナなんか使わないもん。で、芝川、見沼ともに、一般道と何度も何度も交差するので、大変走りにくいのであった。


 町役場のすぐそばに見事なラベンダー堤がある。「第14回あやめ・ラベンダーのブルーフェスティバル」の真っ最中。結構な人出が花や出店に群がっている。7月上旬まで見られるらしいので、まだチャンスあり。フェスティバルの詳細はこのページへ


 ラベンダー堤を通って、菖蒲城趾あやめ園へ歩けるらしいのだが、自転車で来ているので、そこは自転車で移動。だって、靴はクリートが着いてるし、また500m歩いて戻るの面倒だし。


 30000株の菖蒲が咲き誇っている。堀切菖蒲園より規模も大きい。


 薔薇や蘭など、こういう園芸ものには、種類種類で名前がついてる。薔薇なんかだとブリリアント・ピンク・アイスバーグなんてカタカナ名が圧倒的に多いのだが(だって、明らかに日本人だろ、それって名前もわざわざカタカナだもん。プリンセス・チチブだのプリンセス・サヤコだの)、やはり菖蒲。ジャパンである。端午の節句である。端午の節句はもともと女の子のお祭りだったんだよなどと述べさせていただき、今回の顕花植物見物を終わりにさせていただきたい。

 P.S.帰り、桶川から電車に乗ったのだけれど、そこでは紅花祭が繰り広げられていた。
 寄って来ればよかった、と後悔。
コメント
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