「縄文対弥生」を見に国立博物館に行ったのに、もう一方の当事者国立歴史民俗博物館に行かないのは申し訳ないだろう、ということで、行ってきました、国立~俗博物館(中略)。
民俗学は学問として歴史学、考古学、民族学(あるいは人類学)、宗教学と隣接していて、人々の生活、風習、信仰、伝説などを研究する学問。アナル派の歴史学に近いかもしれません。
さて、興味深かった展示をいくつかご紹介致しましょう。
形代
人々は自分にたまったけがれをこれになすりつけて、焼いたり流したりしたのでした。つまりひな人形の原型。
笠森稲荷大明神
笠森稲荷っていうと「笠森稲荷のお仙」で有名な上野谷中、それから品川戸越の笠森稲荷が有名。上野と品川。これを聞いて「お!」と思ったあなた、あなた落語好きですね。そう、どっちも色町を後ろに控えた場所。「死んだ金 生かして使う 山の客」(山の客ってえのは、上野の坊さんのこと。吉原でのいいお得意さんだったらしい)。
「笠森」は「瘡守」に通じ、「瘡」除けの神社なんですね。で、ここで言う「瘡」はもちろん天然痘も入っているんだけれど、それ以上に「梅瘡」、現代で言う「梅毒」。
「横根の一つもはらねえで一人前の男と言えるかい」などとやせ我慢しつつ、当時不治の病であった梅毒に対して人々はおそれおののいた。でも、ここが江戸っ子のすごいとこなんだが、どうせ治らないなら笑い飛ばしちゃえ、とせっせと川柳を作ったり落語のネタにしちゃう。
「すっぱりと直りましたと鼻が落ち」
すごいね、江戸。