四倉銀行は大正5(1916)年、四倉港築港第一期工事の開始に伴って漁業振興の為に設立された金融機関。 この建物は大正15(1926)年に3万8千円(当時)をかけて地元の堀江工業により建てられました。 設計者は不詳となっていますが、その設計手法などからある程度の近代的建築教育を受けた者による設計といわれています。 昭和4(1929)年の金融恐慌で四倉銀行は閉鎖、以後この建物は平商工信用組合四ツ倉支店や個人医院、学習塾として使われてきたそうです。 福島県いわき市四倉町東4-28 10年04月中旬
※参考 『福島県の近代化遺産』 2010
※現存せず(震災による)。
庇(ひさし)は直線的ですが、その上には丸みを持たせた装飾を施す。
四倉の「Y」をモチーフとしたレリーフとはこれの事? かなり抽象化されたデザインです。
玄関脇にはドリス式のオーダー。
パラペット付近の処理の仕方が表現派の影響を感じさせます。
アーチ窓の彫りの深さも印象的。
報道によると大震災によって建物にヒビ割れが発生したそうですし、
また津波により浸水したエリアでもあるので現在の建物の状況は掴めておりません。
大した事が無ければ本当に良いのですが…
福島の事が気がかりでつい過去のストック写真を掲載してしまいました。
山下りんのイコン画は東北方面の正教会に所蔵されている物も多いようですね。
被害が甚大すぎてなかなか個別の情報は入ってきませんが、
複製が飾られていた石巻の旧ハリストス正教会が津波に流されなかった事は本当に奇跡のように感じました。
復興に何年かかるか先は全く見えませんが、自分が出来る事を日々積み重ねて東北の人達を応援したいですね。