リタハウス

2008-02-20 19:41:04 | 北海道 その他のエリア





 ウイスキー造りに生涯を捧げた『日本のウイスキーの父』、竹鶴政孝(1894~1979 ニッカウヰスキー創業者)。 本場のウイスキー造りを学ぶ為に竹鶴が単身乗り込んだ(大正7年 1918)のはスコットランド・ハイランド地方。 異国での実習に勤しむ日々の中で、彼は後に生涯の伴侶となるジェシー・ロベルタ・カウン(愛称リタ)と出会う・・・ 二人が紡いだ「琥珀色の夢」は、ウイスキーづくりの理想郷・余市で花開き、その信念は変わることなく現在まで引き継がれる。

 ※ 旧但馬八十次住宅(昭和6年築 1931)。 当初は経理事務所として使用され、その後、研究室、資料館と用途を変え、現在はティールーム「ロッホ・ローモンド」があります。 ロッホ・ローモンドとはハイランドにある美しい湖の名前で、竹鶴とリタはそこで将来を誓い合ったといいます。  北海道余市町(よいちまち)黒川町7-6 ニッカウヰスキー余市蒸溜所内  07年04月下旬
 



旧檜山爾志郡役所

2008-02-19 18:51:07 | 北海道 その他のエリア





 明治20(1887)年に檜山爾志(ひやまにし)郡役所兼江差警察庁舎として建設される。 道内に現存する旧郡役所としては唯一のもので、白ペンキ塗りの下見板が大変美しい建物です。 
 
 警察や役場の分庁舎など、100年以上もの長きに渡って使用されてきた間に、様々な手が加えられてきた建物ですが、平成5(1993)年に役場庁舎の新築移転に伴って現役を終えた後、同8~9年にかけて修復工事が行われ創建当時の姿に戻されています。 その修復工事の際に確認されたという布クロスが壁や天井に貼られ、室内(特に2階部分)はかなり華やかな装い。 妙な“うねり”を持った階段などと共に目を楽しませてくれています。 現在は江差町の郷土資料館という新たな役割を担っており、明治時代から変わらぬ眼差しで江差の町を見守り続けています。  北海道江差町中歌町112  07年04月下旬 

旧木村家住宅

2008-02-02 20:58:29 | 北海道 その他のエリア




 正面向かって左手の番屋建築(屋根が一段低くなっている部分)に、八角塔状の張り出しを持つ洋風外観の建物を大増築したもの(明治33年 1900頃)。 北海道に残る鰊(ニシン)御殿のひとつ。 
 
 特徴的な張り出し部分は洋風の応接室になっていて、床にレンガを敷き詰め、右手のドアから土足のままでも入れるようになっているそうです。 その張り出し部分に起くり(むくり)屋根を持つ和風の玄関が食い込むという少々きつめな造形。 この建物の棟梁は津軽の人で、思い通りにいかない和洋折衷の建物に疲れ果て、竣工を前にして裏山で首を吊り自殺してしまったという悲しいエピソードが残るといいます(『道南・道央の建築探訪』、『近代建築再見』)。 辺境の地にまで広がっていった近代洋風化の波に、各地の棟梁達は苦しみ、悩まされながらも少しづつ自分たちのものにしていった苦労の過程が、この建物からは感じ取れるような気がします。  北海道浜益村尻苗濃昼(ごきびる)1-2  07年05月上旬

 ※建物の写真を撮っていたら、昔ここに住んでいたというお婆さんに声をかけられました。 手放すことになってしまったが、内部の造りも良く出来たいい家だったそうです。 つい最近まで濃昼茶屋という料理店でしたが、もう営業はしてなくて、現在のオーナーがたまに手入れにやってくるだけ、というお話も伺いました。

家具の宮川本店

2007-11-26 07:14:38 | 北海道 その他のエリア


 旧宮川仏壇店(昭和12年築 1937)。 一目すれば仏壇店という事が納得できてしまう外観。 一応、帝冠様式に含まれるものでしょうか。 寺院のような屋根にレンガの煙突というのはインパクトが大きいです。  北海道旭川市2条10丁目左10  06年05月上旬

 ※写真が一部大きくなります。

日本聖公会バチラー夫妻記念教会堂

2007-11-14 07:04:22 | 北海道 その他のエリア



 丘の上にチョコンと建つ小さな教会堂でロボットの顔みたいなユーモラスな外観。 建物は石造りの2階建、昭和12(1937)年に建設されたもので、アイヌ伝道に生涯を捧げアイヌ民族の父と呼ばれた宣教師・バチラー(1854~1944)の名前が付けられています。 彼は有珠のアイヌ豪族・向井富蔵の次女・八重子を養女として迎い入れ、その弟である向井山雄司祭が中心となってこの教会堂は建てられました。  北海道伊達市向有珠町119  06年04月下旬

 ※現役の教会です。 見学の際はご配慮願います。

旧栗沢信用購買販売組合事務所

2007-10-29 07:10:33 | 北海道 その他のエリア



 昭和6(1931)年築の煉瓦造の建物です。 玄関の上にバルコニーがあった跡が微かに残り、建物裏手にはいくつかの煉瓦倉庫も残っていました。 現在はJAの農業資材店のようです。  北海道栗沢町本町163  06年05月上旬


 ※おまけ こちらは同じ通りで見つけた「栗澤劇場」。 良く見ると2階から上は上げ下げ窓になっています。 空家というより廃墟っぽいですが、何となく気になる建物です。 詳細不明。 


渡部医院

2007-10-27 08:25:21 | 北海道 その他のエリア



 大正期の瀟洒な病院建築(大正12年築 1923)。 未だ現役の病院というのが素晴らしいの一言です。 富良野だけにこの建物はテレビドラマ『北の国から』でロケに使われたそうなので、テレビで見た方もいるのでは?  北海道富良野市本町1ー10  06年05月上旬

櫻湯

2007-10-23 07:07:11 | 北海道 その他のエリア



 帯広の町に残るレトロな銭湯。 昭和7(1932)年に建てられ、同13年に譲渡されて以降は櫻湯(桜湯)の名前で営業しているそうです。 木造2階建ての部分が入口兼脱衣所で裏手に続く平屋のレンガ造の建物が浴場となっている構造。 営業してるか微妙な感じでしたが、タウンページにも名前が載っているのでまだまだ現役と思われます。 以前に紹介した旧帯広湯にとっても良く似た建物ですね。  北海道帯広市東2条南6丁目8  06年04月下旬 

赤心社記念館

2007-10-21 14:54:14 | 北海道 その他のエリア




 明治21(1888)年に赤心社の事務所として荻伏駅前に建設。 赤心社は北海道の開拓の為に明治13年に設立されたのが始まりで、農業や牧畜に留まらず、漁業に林業、学校を設立して教育や文化の発展にも努めたそうです。 この建物は大正7(1918)年に荻伏村に寄付されて移築された後、公会堂や役場庁舎、2度目の移築(現在地へ)の後は博物館として使用され、昭和49(1974)年に赤心社記念館と改称されて現在に至っています。 とても120年近く前の建物とは思えないくらい綺麗な状態(外観)でした。  北海道浦河町荻伏15  06年04月下旬 

丹波屋旅館

2007-10-17 07:10:02 | 北海道 その他のエリア



 旧松尾旅館。 大正初期築の和風旅館に洋館部を増築(昭和3年 1928)したものだそうです。 洋館部はマンサード屋根に窓にはファンライト・・・と思いきや、『旭川と道北の建築探訪』に書かれている通り、開き窓の上にファンライト風飾りを張り付けているという仕様。 棟梁の苦心がうかがい知れてシビレます。 現在も旅館として営業しているのか微妙な所(廃業っぽい)ですが、可能ならば泊って内部探索してみたい建物ですね。  北海道中頓別町生頓別91  06年05月上旬 

江別市ガラス工芸館

2007-06-28 07:09:10 | 北海道 その他のエリア




 「北海煉瓦合資会社」の代表社員であった石田惣喜知氏の邸宅として昭和21(1946)年に建設。 『道南・道央の建築探訪』によると、給与代わりに会社から受け取った規格外の製品を用いて自ら設計、建築したとあります。 現在はもとにあった場所から40メートルほど曳家され、鉄筋コンクリートの補強がされた後、ガラス工房として活用されています。 活用されるにあたり内部はかなり改変されているみたいで、住居であった面影はほとんど残っていないような感じでした。  北海道江別市野幌代々木町53  06年05月上旬

 ※建築年については昭和18年とか同20年という資料もあります。

大岬旧海軍望楼

2007-06-25 07:11:10 | 北海道 その他のエリア




 ロシア艦隊を監視する為の国境の備えとして、明治35(1902)年に旧帝国海軍により設けられた望楼。日露戦争(1904~05)の終結によりその役目を終えたかに思われましたが、その後は無線通信所としての機能を与えられ、情報の伝達という重要な役割を果たしました。
 
 心地よい海風を体に受け、ゆっくりと望楼に登っていくと目の前には宗谷海峡が広がっていました。日本が軍事大国に突き進んでいった事を少なからず物語るような建物も、今では観光客の絶好の展望スポットとして、その目を楽しませる手助けをしています。天気の良く晴れた日にはここから遠く樺太(サハリン)の姿も見えるそうです。  北海道稚内市宗谷村  06年05月上旬

旧栗林商会社屋

2007-06-22 07:13:07 | 北海道 その他のエリア



 昭和8(1933)年築。05年まで道南バス室蘭西営業所として使用されていましたが、同社の撤退後は使われておらず、ついに昨年(06年)の9月に解体となってしまったようです。すっきりとしない薄曇の天気がこの建物の将来を暗示しているようだったのが、今になって思い出されます。  北海道室蘭市海岸町1-22  06年04月下旬