エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

「フューリー」を観た

2014年12月18日 | ポエム
前評判を裏切らない。
さすがは、ブラッド・ピットである。

フューリー・・・FURYという映画である。
憤怒といった意味である。
戦車の愛称である。

その憤怒の色は・・・。
かつて、高橋和己は社会への怒りを「褐色の憤怒」と表現した。



所々に、聖書の言葉が散りばめられている。
凄惨な戦闘場面だからこそ、聖書の言葉が胸に響くのだ。
主と共にあり、洗礼を受けた群像が殺戮をする。
戦争の惨さが伝わってくる。



この映画は、ナチと闘う米軍の一小隊を率いる軍曹の物語である。
また、全くの素人である若者が軍人へとならざるを得ない悲劇をも又描いている。

映画を見ながら、シーン毎に自戒をこめた言葉が紡ぎだされていく。

阿鼻叫喚の地獄にあって、死体にも更に小銃を撃ちこむ。
死体が活き返らないために撃ちこむのだと、古参兵が言う。

戦車の内部を、洗い清めながら嘔吐する新参の若き兵士。
だがしかし、殺さなければ自分が殺され、仲間が危機に陥る。
頭で理解しつつも、人としてそうはなりきれない苦悩が描かれる。







「映画への時間配分冬深む」







蛇足だが、キャメラワークが素晴らしいと言いたい。
ブラピの、存在感は圧倒的である。

戦争の罪と罰が、鮮烈に描かれるのである。
あらすじを感嘆に云うと「ブラッド・ピットの主演・製作総指揮で、第2次世界大戦下、たった一台の戦車で300人のドイツ軍部隊と渡り合った5人の兵士たちの姿を描いた戦争アクションドラマ」となろう。

今こそ、日本の為政者に観て頂きたい映画の一つである。
「戦争を知らない、子どもたちさ!」などと気楽に歌っていたぼくたちの世代。
団塊の世代とか云って、得意満面だった。

いま、その世代は何を成すべきなのか。
厳しく問われているのかもしれない。

帰宅して、午前零時半。
いま、この記事を書いている。

俳句は明日の朝、改めて映画を反芻して詠みたい。
そろそろ寝床に入ろうと、思っている。
風呂は、明日の朝・・・。

おやすみなさい。



        荒 野人