エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

冬薔薇・・・ふゆそうび

2014年12月13日 | ポエム
昨日は、終日「鈍色(にびいろ)」の空であった。
しかし、鈍色の下は「ものみなすべて」あわあわとして美しく見える。



街灯は、午後4時半に燈った。
冬薔薇は、哀しく見える。



華やかなはずの薔薇である。







「鈍色の空よりしずく冬そうび」







ふゆそうび・・・。
そう声に出してみる。

花と一体化する声韻。
「ふゆばら」と読んでいけないのだと知れる。



この薔薇を、誰に重ねようか。



そうだ・・・楽器のような声の君に重ねよう。
時として「ピッコロ」である「フルート」である。
時として、激しく打ち鳴らされる「ティンパニー」であって、ぼくはソット・ヴオーチェで合わせる。

チェロのようであり、ヴイオラのようでもある。
だがしかし、ころころと転がる声はソプラノである。



それにしても、鈍色の下の薔薇園は寂しい。




       荒 野人