エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

寒椿

2014年12月28日 | ポエム
寒椿の花が、誘う。
寒椿は、実は山茶花である。



キーンと冷えきった空気の中で、赤々と「たいまつ」を掲げるかのように咲く。
その様は、あの凛として生き抜いた母や伯母たちの姿である。

戦後の食糧難の中で、ぼくたち団塊の世代の子を育て上げた愛すべき群像である。
あの時代、寒椿はいまと変わらず咲いていたのだ。







「寒椿茂みの陰の母の愛」







この赤い花に、母を描く。
母は、全てのシーンで生きている。
ぼくの心に生きている。



       荒 野人