エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

柿熟れ・・・

2014年12月08日 | ポエム
柿が熟れている。
獲らなければ、全てが木守柿になってしまうではないか。



そんなことで良いのか?
何のために柿は熟れたのか・・・。



人に食べられるために、花をつけそして実になった。
実は秋から晩冬にかけて、熟れたのだ。







「分け前は天使と鳥に柿熟るる」







誰か、早く収穫してやってほしい。
この木には、間違いなく持ち主がいる。

更に云う。
木守柿となるのを待つ鳥たちもいる。
分け前を待つ天使もいるのだ。



柿は待っている。
その健気さを、誰が否定できようか。



空を小気味よく区切り、そして熟れている。
高いところで熟れたのは、彼らの責任ではないというのに。

柿は、人の思惑などに関わらず実を生らせ、熟れる。
それこそが自然の営みであり、摂理である。
今日の句は、ぼくが俳句を始めておよそ2カ月経った頃のものである。
木守柿を啄ばむ小鳥を見て・・・「天使の分け前」から、発想した。



       荒 野人