内藤やすお|演歌十八番

内藤やすおブログ

噺家・柳家小三治

2024年05月03日 | 日記

ぶらりと立ち寄った本屋で、2021年秋にこの世を去った【落語家】の本が目に付きつい手が出てしまい買ったのがこの本【噺家 柳家小三治】です。

テレビの【笑点】で出演の落語家さん達が引っ張りだこの大人気の中で、寄席専門の落語家達には今一陽の目が出ていないのが昨今の落語界じゃないでしょうか。私の贔屓の【三遊亭歌笑】は別として、この【柳家小三治】は大好きな落語家です。

この人の落語に入る前の【まくら】にはその時々の話題が豊富で愉快で時間も無制限なのが面白くて好きナンでございます。

この本は【小三治師匠】の言葉はなく、落語評論家【広瀬和生】元マネージャー【倉田美紀】弟子の【柳家三三】の師匠の人となりを、写真家【橘蓮二】の写真と共に書き綴ったものです。

面白かったのは、小三治の師匠の【五代目・柳家こさん】に、【お前の噺は面白くねぇな】一刀両断に言われ、衝撃を受けた【小三治】が考えて考えて到達した【芸談】のさわり。【面白くやろうとしない事で面白くなると、横町のご隠居さんと八っぁん熊さん】と登場人物の了見になりきるさわり。この【了見】と言う言葉が文中の端々に出てくるところが【小三治の小三治たる落語家】ナンでしょえうね。

【柳家小三治】は高座以外ではとても厳しくとても優しい人で、そこら辺に居る老人と少しも変わらない子供の様な無邪気さ可愛らしさが、お弟子さんやマネージャー、そして師匠と接する人達を虜にしていたのでしょうね。

【面白くやろとしない・上手くやろうとしない心・一期一会の芸風】私の様な凡人には出来ない事です。 だから私いつまで経ってもダメなんでしょうね。先日も相撲甚句を甘く歌おうとして大失敗しちゃいました。誰です、アンタはそんな了見だからダメなんだよ! だなんて・・・トホホ。