木曜日、釜場で作業していると、吐く息が白くなった。
寒くなったんだなぁと実感。箱詰めの合間に息抜きがてら、釜の口炊きの前に寄っていって暖をとる。
「釜場は火があって、暖かくていいねぇ」とこの地で生まれ育った人でさえも、そう思いこんでいる人が多い。しかし、現実は全くその逆。
釜場はすぐ横を川が流れる谷間で、屋根は有るには有るが釜より上、4~5メートル高さにトタンばり。釜ともう1面が壁ではあるけれど、残る2面は筒抜けの吹きさらし。
釜だし作業には、冬の方がぬくもってちょうどいい。夏は地獄。
箱詰め作業は、一所に座り込んでの仕事。
夏場は4~5メートル離れた釜の口の火が、真後ろでストーブを焚かれていると思うほど熱を感じる。夏にはありがたくないものが、冬重宝されているわけでもなく、ただの吹きさらし。冷たい風のみで、熱は釜に手を当てなければ感じられないほど、寒い所である。
釜場からの帰り道、周囲の山の紅葉があでやかに目に飛び込んできた。
いつの間に??
急に寒くなって一気に紅葉したのだろうか?
金曜日、仕事で本宮まで行くことになった。チャンス!!
数日前に地方紙1面に載っていた大銀杏も見に行こう!
途中、中辺路にある有名な大銀杏。行きは国道から全景を。
夏場、緑の中では大して目立ちもせず、大きさも感じられないけれど、この時期、1本だけこうして見事に黄色く染まると、おおっーーと叫びたくなるくらい大きくて存在感を現す。
本宮での仕事を終えて、銀杏の木の下までちょっと寄り道。
新聞に載ったら、見物人がドッと押し寄せているかと思いきや、夕方近くになっていたからか私以外には車が2台。静かな集落のままで落ち着いて見れて良かった。
デジカメに収まる訳はなく、いろんな角度から雄大さを感じさせるレイアウトを考え、シャッターを押す。
真下に立って見上げて見ると、まだほんの少し黄緑色の強い枝がちらほらあった。
それらが黄色くなった頃、葉を落とし始めるのだろうか?
落ち葉といってもこの1本だけで半端な量ではないゾ!それこそ、黄色い絨毯。掃除するとしたら・・・大変だろうなぁ。
片道約45分。仕事はついで(?)ドライブ気分で楽しめた。