ダウンワード・パラダイス

「ニッポンって何?」を隠しテーマに、純文学やら物語やら、色んな本をせっせと読む。

21.11.20 時事的放談07 久々に現代中国の話。

2021-11-20 | 戦後民主主義/新自由主義
2021年11月20日
消息不明の中国テニス選手、所在確認求める声 米仏など懸念表明
ロイター


[北京 19日 ロイター] - 中国共産党の幹部だった張高麗元副首相との不倫関係を告白し、行方が分からなくなった女子テニスの彭帥選手(中国)を巡り、各界から所在確認を求める声が相次いでいる。


米ホワイトハウスは19日、中国政府に対し、同選手の所在確認と安全確保について「独立した検証可能な証拠」を提示するよう要請した。サキ報道官は「彭帥選手が、中国共産党幹部による性的暴行を告発した後、行方不明になっているとの報道に深い懸念を抱いている」と述べた。


フランスのマラシネアヌ・スポーツ相も「わが国は人権の尊重に深くコミットしている。彭帥選手のケースのような性的暴行の告発には、透明性が絶対に必要だ」と表明した。


このほか、大坂なおみ選手やセリーナ・ウィリアムズ選手(米国)らトップ選手を始め、関係団体などからも彭帥選手の安全を確認するよう求めるコメントが出されている。


セリーナ・ウィリアムズ選手は「彭帥選手のニュースを受けて、とてもショックを受けている。一刻も早く彼女が無事に発見されることを願っている。この件は調査されるべきで、われわれは黙っていてはならない」と述べた。


大坂なおみ選手も「検閲はどんなことがあっても許されるものではない。彭帥選手とその家族が無事であることを願っている」とした。


彭帥選手は2日、中国交流サイトの微博(ウェイボ)で、張高麗元副首相から性行為を強要され、合意の上で不倫関係を持ったと暴露。その投稿は約30分後には削除されたが、投稿のスクリーンショットがインターネット上で拡散し、大きな話題となった。


張元副首相と中国政府からのコメントは得られていない。


 ◎このロイターの記事は「不倫関係を告白し」と書いているが、他のメディアではより明確に「性的関係を強要されたと告白し」と書いているものもある。
 さらに詳しい記事はこちら。ただし英文で、ちょっとサイトが重い。AP通信。


https://apnews.com/article/coronavirus-pandemic-sports-entertainment-health-beijing-d9aeeb571e4c1d4cb8f4efb469e9faa2?utm_campaign=SocialFlow&utm_medium=AP&utm_source=Twitter



(冒頭部分)
Jack Ma. Actress Fan Bingbing. Businesspeople and a scientist. And now a tennis star. All have vanished from public view in China for a time after running afoul of authorities. What drives such high-profile disappearances?


ジャック・マー。女優ファン・ビンビン。何人ものビジネスパーソンや科学者たち。そして今回のテニスの花形プレイヤー。いずれも中国では、当局の逆鱗に触れたあと、一時的に公の場から姿を消している。なぜ、このような失踪事件が起こるのか。




☆☆☆☆☆☆☆☆


 いまの中国はやっぱりとんでもない国だ。国際社会の面前において、これくらい露骨に人権蹂躙をやってしらばっくれていられる神経は尋常ではない。しかし最大の問題は、この巨大な隣国が、日本を抜いて世界第2位のGDPを誇り、軍事的にも膨張をつづけ、経済面でも技術面でもアメリカに迫りつつあるということだ。いったい日本(政府≒自民党首脳部)はこの国とどう付き合っていくつもりなのだろうか。そんな疑念を抱かざるをえない。
 ひとつにはこういうことがある。


世に倦む日日
@yoniumuhibi
去年から補正予算を46兆円注ぎ込んでいる。それでも日本経済はマイナス成長。いかに体力が衰え、内需・個人消費が落ち込んでいるか。マイナスになった要因は、ズバリ、中国人観光客だ。東京の商店街の賑わい、お店での買い物にいかに中国人のウエイトが高かったか。
世に倦む日日
@yoniumuhibi
46兆円も注ぎ込んだら、単純計算で8%から9%はGDPが上がらないといけない。東京五輪も経済のため景気のために無理やりやった。それでもマイナス成長。どうなってるんだろう。どう考えても中抜きしてますね。相当に。どこに消えてるんだろう。内部留保か。ケイマン金庫か。
世に倦む日日
@yoniumuhibi
コロナ前の銀座、覚えてますよね。中国人ばっかり。百貨店の中の客も中国人だけ。日本人は中高年女性が地下の食料品売り場にいるだけ。秋葉原も上野も中国人オキュパイ状態。千鳥ヶ淵の花見客も4割が中国人だった。奥日光は6割以上。それが消えたら、GDP、マイナス成長しますよね。納得だ。
世に倦む日日
@yoniumuhibi
コロナ前の山手線。車内で聞こえてくるのは中国語だけだった。3-4人の家族連れとか小グループはすべて中国人。キャスター付きバッグ転がして活発に喋っている。お金持ってるから元気なんですよね。日本人はお金がないんだ。お金がないから、みんな一人で静かに座ってるわけだ。お金は大事。
世に倦む日日
@yoniumuhibi
46兆円の補正の流れた先、使い道、経済学者、検証して欲しいですよね。どう考えてもカラクリがある。名目はコロナ対策だった。どこにぶち込んだんだろう。省庁の特別会計にかなり入ってるはずだ。電通とパソナの会計を洗わないといけない。暗号資産もあるかも。闇から闇へのルートと金庫があるはず。




 46兆円の補正予算の話はともかくとして、中国人観光客の件はぼくの生活実感に照らしても全くその通りとしかいいようがない。いっぽうでは中国の共産党を隠然と、ときには公然と敵視しながら、反面ではどっぷりと中国の購買力に依存する。この状況を指して、「この国の政府(や財界)は一体何を考えているのか?」とぼくは訝っているわけだ。




 あるいは、また別種の懸念として、このような事態もある。






☆☆☆☆☆☆☆☆


猫=リュック・ポンティ
@nasitaro
テニスの件はオリンピックボイコットの理由にはなり得るな。
猫=リュック・ポンティ
@nasitaro
しかし日本でも政府批判した人間は次々とテレビ番組降ろされてるからな。中国で何が起きてるかはわからないが、方向性は基本的に変わらない。
猫=リュック・ポンティ
@nasitaro
中国の人権問題は相当深刻だとは思うが、日本はマトモだと思ってたらとんでもないぞ。完全に同じ方向に向いてるのだから。反共だから逆だみたいな理解は馬鹿すぎる。日本政府が求めてるのは全体主義社会。










 これも確かにその通りで、「共産主義は悪。でも日本は新自由主義社会だからOK」という話ではない。ぼくが愛するのは何よりもまず「自由」だが、今の日本がやっている「新自由主義」はそもそも「自由主義」ではない。「持てる者たち」が何でもかんでも好き放題やれるという点では彼らにとっては自由なのかもしれないが、ふつうの「持たざる者」たちは可処分所得を減らされ、可処分時間を奪われ、むしろ不自由をかこっている。
 つまり、「民主主義」の理想から遠ざかっている点において、程度の差はあれ同じ(負の)方向をむいているということだ。日本のばあい、戦後このかた殆どの期間で自民党の「一党独裁」が続いているから猶更である。
 しかもそのような状況を正当化するための理由として、「中国の脅威」が使われる。げんに、先の選挙における自民党勝利の一因には、「外交・防衛」のテーマがあった。はっきりいえば、「立憲民主党では中国とまともに対峙できないだろう」との懸念を抱く有権者がそれだけ多かったということだ。
 しかし、怪物と闘おうとするものが、自らもまた怪物になってしまっては元も子もない。ニッポンはこの先どうするつもりなのだろうか。


◎引用元の方々には心よりお礼を申し上げます。


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
空気主義。 (eminus)
2022-05-29 12:01:46
 こんにちは。お久しぶりです。このところほんとに調子が悪いので、コメント承認&ご返事が遅れてごめんなさいよ。
 ぼくはつねづね「ブログってのは即興演奏だ。」と思っていて、過去にアップした記事のことはあまり覚えてないんですよね。いやもちろん、「文学」や「物語」といった専門(?)分野のことはけっこう覚えているけれど、「政治」にまつわる話はいけません。もともと定見ってものを持ち合わせてなくて、その時に仕入れる情報如何でけっこうころころ変わっちゃうんでね。じっさい、2020年の時点では安倍首相に好意的だったのに、2021年にはくるっと掌を返してますから……。
 この本文は中国の話ですか……。ちょうど半年前かあ。このあと、kindleで中国関連の本をあれこれ買って読み漁ったんで、今だったらもう少しましな記事が書けると思いますけども。体調さえ戻ってくればね……。
 コロナについては、マスクどころかワクチン云々でさえもずいぶん諸説が入り乱れてるんで、なにが正解なのかはわからないですね。ぼくはとりあえず「周りに合わせる」派ですね。ニッポンってのは民主主義というより、「空気主義」「同調主義」の国なんだろうと思っています。丸谷さんがずっと拘ってたのも、つまりはそういうところでしょう。
 ところで、「さよなら」といえば、古市憲寿の『平成くん、さようなら』は面白かった。小説としてはぜんぜん稚拙なんだけど、現代風俗のカタログとして秀逸ですね。『なんとなく、クリスタル』の平成版かな。
返信する
Unknown (カシアス耕作)
2022-05-28 19:31:25
お久しぶりです。以前丸谷才一の記事に投稿した耕作です。まぁ、民主主義自体がマスクするもしないも勝手でしょ。ワクチン打つも打たぬも人の自由でしょの全体主義になっている結果を生んでしまったとは思うのです。僕が思うのはなんでインテリと言われ、頭がスマートな人達がこれだけマスクに頑なにこだわり、指摘されるとそれは貴方がこだわってると口にする事です。

丸谷才一の小説「笹まくら」で浜野はさよならと書いて逃げましたね。僕も逃げたいと思ったけど、あの主人公が逃げた先がここならば、逃げる先はどこになってしまうのか?
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。