栄光イレブン会

栄光学園11期卒業生の親睦・連絡・活動記録

ブログ開設:2011年8月23日

近況報告(Imai_Yoshinori)

2011年10月17日 | 相澤・有賀・稲森・今井


昭和43年に入って43年間、「生涯一記者」のつもりで仕事をしてきましたが、最後の3年間、図らずも公共放送の経営に関わって今年1月に退任しました。かつての「記者」に戻るつもりで、作った名刺の肩書は「ジャーナリスト」、外人記者クラブの登録変更も“Free Lance Journalist”にしましたが、どうも看板倒れのような気がします。

退職後、ご縁のあった京都の立命館大学で4月から教壇に立っています。学生を教えるためには、まず錆を落とし、拙い経験に肉付けしていかなければならない、それが同時に本業の「リハビリ」になると考えたからです。「三つ子の魂百まで」のはずだったのですが、この3年間、組織の改革、職員のコンプライアンスとモラール、国際展開、対外折衝、将来展望などかかわっているうちにどこかに置き忘れてしまったのか、リハビリにはまだ時間がかかります。
しかしいざ教え始めてみて、非常に大事な仕事だと気が付いたのは、次の世代を担う若者たちに世界の現実に目を向けさせ、一人一人が立ち向かう勇気をつけることです。口で言うほどやさしいことではありませんが、少しずつ手応えも感じるようになってきて、週に一度の新幹線通勤を楽しんでいます。

もう一つ、思わぬ展開がありました。6月から生まれて初めて民間企業に非常勤の監査役として籍を置くことになったのです。財務も経理もまったく知らないで何ができるのか、いまのところ「社会の常識で」という経営側のことばに甘えているばかりです。
「どこの会社か」って?JTこと「日本たばこ産業」です。たばこを吸ったのは大学入学から10年ほど、やめてからは37年、自分でも「まさか」と思いましたが、これもいろいろなご縁があって、チャレンジすることにしました。
JTは海外展開という点では日本企業の先頭集団にいますし、食品や医薬への進出による多角化にも懸命に取り組んでいます。たばこ税も政府保有株も大震災と原発事故からの復興財源に挙げられていて、グローバル化の中で大きな転換点に立ち向かおうとしています。

それにしても東日本大震災と原発事故は私の心の中で大きな重荷です。32年前、アメリカのスリーマイル島原発事故の現場で取材にあたった数少ない記者の一人として自分自身は、そしてメディアは、「安全」についていったい何をしていたのか、忸怩たる思いが残ります。

最近は内外の様々な活動にかかわる機会が増えました。強く感じるのは私たちよりも年長の世代も含めて、日本と世界の未来のために、そして何よりも次の時代を担う人たちのために、私心を捨てて取り組んでいる人たちが沢山いることです。
“Man for Others” 今も母校に脈々と流れる言葉を思い出す今日この頃です。
                        (2011/10/16)

次回の担当者には、千種忠昭君を指名します。原発問題では、自動車設計者の経験を
踏まえつつ、メディアの経営者として貴重な意見をお持ちです。
「近況報告」ではなく、原発問題で特別寄稿を依頼することもありうるかもしれませんね。
その場合の「近況報告」はニューヨーク在住の増山君にお願いしたいと思います。

                          



コメント
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