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ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ムーンライズ・キングダム

2013-02-03 22:52:37 | ま行

ウェス監督作品のなかで
最大のヒットらしいですよ。

「ムーンライズ・キングダム」72点★★★★

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1965年、アメリカのニューイングランド沖に浮かぶ小さな島。

ある日、
ボーイスカウトキャンプから
12歳のサム(ジャレッド・ギルマン)が脱走する。

サムは同じく12歳のスージー(カーラ・ケイワード)と
駆け落ちをしていたのだ。

ボーイスカウト隊長(エドワード・ノートン)は大慌てで
島唯一の警部(ブルース・ウィリス)に連絡し、
島中を捜索するが――?!

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「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」「ダージリン急行」の
ウェス・アンダーソン監督の最新作。

いつもながらオリジナリティーに溢れた世界で
今回はとてもかわいらしい
「ボーイ・ミーツ・ガール」の胸キュンドラマが展開されます。

閉鎖感ある小さな島で
「生きずらさ」にあえいでいる孤独な少年少女
小さな反抗=駆け落ちを試みる。

ボーイスカウト経験のある少年は、
おままごとのようなサバイバルを展開するのだけど、
しかしやがて大人たちに見つかってしまい――?というストーリー。

ドールハウスのなかを覗くような
ワクワクする舞台装置も

衣装も美術も音楽も

普通からちょっと“はみ出した”人やものごとへの愛も

すべてが監督の「だから、僕はこれが好きなんだってば」が全開。

その徹底ぶりが気持ちいいんだよね。

番長は
前作「ファンタスティックMr.FOX」のほうが
造型のおもしろさと笑いのシンプルさという点では好みだけど

本作にも得も言われぬ味わいがあり
存分に楽しみました。

宝箱の中身が
集めた人にしかわからないガラクタであるように
でも、その素敵なガラクタたちを
見せてくれてありがとう!って気になる。

ウェスワールドでのちょっぴり切ない冒険と純愛を
楽しんでください。

★2/8(金)から全国で公開。

「ムーンライズ・キングダム」公式サイト
コメント (4)
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二郎は鮨の夢を見る

2013-02-01 20:32:22 | さ行

一生、行くことはないであろう場所。
だからこそ、見て愉しみました。

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「二郎は鮨の夢を見る」71点★★★★


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東京・銀座のビル地下にある
鮨店「すきやばし次郎」。

ミシュランガイドで6年連続三ツ星(!)を取ってる
このすんごい店の店主・小野二郎氏(87歳)を
27歳の若いアメリカ人監督が撮ったドキュメンタリーです。

番長、いつも通りかかっては
「どんな店なんだろう?」と思っていましたが

いやはや、想像以上にすごいお店でした。

まず
お一人様3万円から(!)

お酒や肴などは一切なく、
鮨だけが出るという徹底したところらしいです。

なにより、まず
「なぜ次郎なのか?」「ほかの鮨屋と何が違うの?」と
誰もが疑問を持つと思うのですが

そのあたりは監督にこの店を紹介したという
料理評論家の山本益博氏が、
重要な案内役&解説役として登場し

実に優しく解き明かしてくれます。


撮影時85歳だった二郎氏が語る
仕事哲学も、身に染みますねえ。

「自分の仕事を好きになれないとダメよ。
あれもこれもじゃ、身に付かない」の言葉は耳に痛い痛い。

まじめに、向上心持ち、
毎日同じことをする大切さをつくづく感じます。

二郎氏の生い立ちや
一緒に働く息子さんにスポットを当てたのもよく、
ただの「鮨!ビューティフル!」だけでない
中身のあるドキュメンタリーになっています。

映像もスタイリッシュだしね。

ただ鮨のシーンのスーパースローの多用には
ちょっと飽きる(笑)

「鮨」そのものを撮るだけで
楽しかったことは、楽しかったんだろうな(笑)

★2/2(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、ユーロスペースにて全国順次公開。

「二郎は鮨の夢を見る」公式サイト
コメント (2)
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