ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

山の焚火

2020-02-20 00:06:49 | や行

自分映画史ベストワン作品。

 

「山の焚火」85点★★★★

 

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ときはおそらく、1980年代。

 

人里離れたアルプスの山中に

父(ロルフ・イリック)と母(ドロテア・モリッツ)、

10代の娘ベッリ(ヨハンナ・リーア)と

その弟(トーマス・ノック)が暮らしている。

 

聾唖者の弟はときどき奇行を起こすが

無垢で、愛らしい存在であり

一家は彼を、やさしく見守っていた。

 

だが、夏の終わりに

ある出来事が起こりーー?!

 

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スイスの巨匠、フレディ・M・ムーラー監督が

1985年に発表した作品。

 

といっても、ワシ

監督の名前もよく知らないまま(すみません・・・苦笑)

 

実はもう30年近く前、学生時代に

たまたま深夜にテレビで観て(たぶんミッドナイトアートシアター)

衝撃を受けて以来

自分映画史ベストワンにしていた作品なんですよね。

 

それが

デジタルリマスターで上映。

 

いや~懐かしい!

と感慨深く

 

同時に

自分の好きな世界、嗜好が変わってないんだなあと

驚きました。

 

人里離れたアルプスの山で

自然と静寂とともに、生きる家族。

 

その淡々とした日常には

人の暮らしの、たしかな息づかいがある。

 

そして外界から隔離されたその場所で起こる、ある出来事。

 

それは残酷でもあるけれど

なにか自然の摂理のようで

 

人間の根源を考えさせると同時に、

倫理を超えた神話的な美しさを持っていて

30年余を経ても、やっぱりぐっとくるんです。

 

いいなあ。

 

昨日の「名もなき生涯」の村も

ちょっとこんな感じだなあと

続けてアップしてみました(笑)

 

スイスの山岳地帯に生まれた

フレディ・M・ムーラー監督は現在79歳。

すでに映画制作からは引退しているそうですが

ほかにも「山三部作」とされる、山映画を撮っている。

 

今回はその

「われら山人たち われわれ山国の人間が山間に住むのは、われわれのせいではない」(1974年)と

「緑の山」(1990年)が

同時公開ということで

 

観に行きます!

 

★2/22(土)から渋谷ユーロスペースほか全国順次公開。

「山の焚火」公式サイト


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