goo blog サービス終了のお知らせ 

ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ハロルドとモード/少年は虹を渡る

2010-07-18 13:14:32 | は行
昔の映画はいろんなことを
教えてくれるって証明です。


「ハロルドとモード/少年は虹を渡る」70点★★★


葬儀参列が趣味で自殺もどきを繰り返す
エキセントリックな
少年ハロルド(バッド・コート)

これまた葬儀参列が趣味という
79歳の老女モード(ルース・ゴードン)と出会い
心を開くというストーリー。


思わずギョッとさせる斬新な絵作りといい
笑いのツボといい
現代に十分通じる抜群のセンスです。


「えっ?そうなりますか」とくる
アバンギャルドな展開もおかしすぎる。


制作年は1970年。
監督のハル・アシュビーは
「夜の大捜査線」でアカデミー賞編集賞を受賞した人で
自身も超・ヒッピー(笑)


(ルース・コードンとハル・アシュビー)


そんな監督が描く
自由人のおばあちゃんモードが
すごく魅力的で

その会話にはなんつうか
哲学的要素が散りばめられてるんです。


「葬式は最高におもしろいわ。
埋葬と誕生はつながってるんだもの」


「生まれ変わったらヒマワリになりたい。
背が高くてシンプルでしょ」


「同じ花なんてない。小さいの、太ってるの、
右向いてるの、みんな一人一人違うのよ」


…あれ?これって
「世界でひとつだけの花」?

ってな感じで
あらゆるクリエーターにとって
インスピレーションの宝庫か
ネタ元の宝箱かって感じもいたします。


実際、いまもカルト的な人気を誇る作品で
2008年にも浅丘ルリ子&西島隆弘で
舞台化されているそうです。
へえー。



★7/17から新宿武蔵野館で公開中。

「ハロルドとモード/少年は虹を渡る」サイト

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 老人と海 | トップ | ジェニファーズ・ボディ »
最新の画像もっと見る

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
葬儀参列 (三本毛)
2010-07-18 14:27:42
お葬式にはあまり行きたくないなぁ。
埋葬と誕生がつながっているとは、
まだまだ修業が足りなくて思えないし。
日本ではそのまま埋めないしね。

自由人のおばあちゃん、というのは
おもしろそうだけどね。
返信する
修業 (ぽつお番長)
2010-07-18 15:26:14

まあね。
三本毛さんの気持ちわかります。

ただ映画を見ると
なんとなく
わかってもらえるんじゃないかと。

“生きてる実感”に乏しい若者が
“死”でそれを確かめたいと願い


それを“死”が現実となる世代が
諭してやる、という

うまい構図なんです、はい。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

は行」カテゴリの最新記事