ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ポップスター

2020-04-04 13:05:16 | は行

けっこう意表を突かれまくりました。

 

「ポップスター」70点★★★★

 

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2000年、アメリカのある町に暮らす

14歳のセレステ(ラフィー・キャシディ)は

劇的な人生の変化に直面していた。

 

学校で起きた銃乱射事件に巻き込まれたのだ。

 

なんとか一命を取り留めたセレステは

姉(ステイシー・マーティン)と追悼曲をつくり

追悼式で披露する。

 

そのけなげな姿と曲が

全米で話題になり

マネージャー(ジュード・ロウ)が彼女をスカウトにやってきたーー。

 

 

そして17年後の2017年。

31歳になったセレステ(ナタリー・ポートマン)は

どうしているのかーー?

 

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この宣伝ビジュアルから

「華やかなスターのスキャンダラス人生」みたいに思うと

「え?」となること必須。

 

いきなり学校で起こる銃乱射事件に始まり

エンドクレジットが最初に流れたり、

想像するようなステージーシーンがなかなかなかったりと

とにかく挑戦的なんです。

 

 

とことんダークで陰鬱な画面といい、

あえて言うならヨラゴス・ランティモス監督の

「聖なる鹿殺し」(17年)に近い世界観かなあ。

 

ナタポーの少女時代を演じる

ラフィー・キャシディの比重がすごく大きくて

彼女が「聖なる~」に出てるからかもしれない。

 

 

銃乱射事件で生き残った少女がスターになり

そして17年後、彼女の過去を想起させる事件が起こるーーという話なんですが

 

結局、描かれているのは

我々をとりまく世界と、それを写し出す人間の行動と悲劇。

現在進行形の「時代」の変化、だと思う。

 

監督のブラディ・コーベットは

「シークレット・オブ・モンスター」(15年)の監督で

俳優でもある方。

相当にひねた感性の持ち主のようですな。

 

ただ、試みはおもしろいんですが

姉妹の間にあるモヤモヤ部分などがやや散漫であるのと

ジュード・ロウの存在がぼやけているのと(けっこう致命的?笑

 

キモであるはずのラストのライブシーンの演出が

チープすぎるのがなんとも(笑)

いや、それも計算のうちーーかもしれない。

 

★4/3(金)から公開が延期となりました。近日公開予定。

「ポップスター」公式サイト

※公開情報は公式サイト、劇場情報をチェックしてください。

いわずもがなですが、状況を鑑みて、無理なきように

よきタイミングでご鑑賞いただけることを願っています。


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