ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ビリーブ 未来への大逆転

2019-03-20 23:49:27 | あ行

「よしっ!」とガッツポーズのおもしろさ!

 

「ビリーブ 未来への大逆転」78点★★★★

 

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1956年、アメリカ。

頭脳明晰な女子学生ルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は

ハーバード法科大学に入学を果たす。

 

が、女性新入生はわずか9人。

風当たりはビュービュー強く、かつ、ルースは幼い娘を持つ母でもあった。

だが、夫で法科2年生のマーティン(アーミー・ハマー)の強い支えのもと

彼女は主席で大学を卒業する。

 

しかし、弁護士事務所に就職しようとした彼女は

ここでも「女性は雇えない」という壁にぶつかり――?!

 

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「ディープ・インパクト」(98年)などで知られるミミ・レダー監督が

“男女平等”を訴え、アメリカの女性史に強烈なインパクトを与えた

実在にして現役の弁護士、

ルース・ベイダー・ギンズバーグを描いた作品です。

 

 

これは

「よしっ!」とガッツポーズをしたくなるほどのおもしろさ!

 

ミミー・レダー監督、久々な気がするけど

やっぱり凄腕。

今日的なテーマを掲げつつ、エンタメのツボを外さないんですよ。

 

1960年~70年代、アメリカでは

女性は仕事も選べず、クレジットカードも作れず

女だというだけで、あらゆる差別を受けていた。

そんな状況に立ち上がった彼女の闘いは、

最初からうまくいったわけじゃない。

 

途中までは、かなり地味。

でも、そこにリアリティがあり

終盤に向かう展開が、まさに「胸アツ!」に盛り上がるんです。

彼女なくして、#Me Tooもなかったよなあ、としみじみ。

 

さらに

主演のフェリシティ・ジョーンズもいいけど

彼女を支える理解ある夫、アーミー・ハマーが理想形すぎる!(笑)

 

それに監督は決して

「女性万歳!」だけを唱えてるわけではないんです。

 

例えば1970年代当時、

「女性の社会進出が、未来をどう変えるのか」を

頭のカタいおっさん連中が話し合うシーン。

「女性が平等になって働きに出たら、離婚は増え、全体の賃金は下がり、家庭は崩壊する」

「そんな未来を、来させてはいけない」――だって。

 

ふざけんなー!と思いつつ、

フラットな目線で見れば

いや、一理あるかも、とふと思ってしまう。

そして、40ン年後のいま、果たしてどうなったか?

「うーむ」と考えさせられもして。

 

折しも、

主人公、ルース・ベイダー・ギンズバーグのドキュメンタリー映画

「RBG 最強の85歳」(5/10公開)も控えておりますので

併せてぜひ!

 

★3/22(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか、全国で公開。

「ビリーブ 未来への大逆転」公式サイト


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