セオリーをサクッと覆すあたりが魅力。
「エマの瞳」71点★★★★
************************************
イタリア、ローマ。
広告代理店に勤めるテオ(アドリアーノ・ジャンニーニ)は
典型的なイタリアンプレイボーイ。
結婚間近の恋人を持ちつつ、友人の妻とも不倫し、人生を謳歌している。
そんなときテオは、盲目を体験するワークショップに参加し、
案内してくれた女性の声に魅力を感じる。
その声の持ち主は、エマ(ヴァレリア・ゴリノ)。
思春期に視力を失いながらも、仕事を持ち、自立して生きていた。
偶然、エマに再会したテオは
生き生きと人生に前向きな彼女に、急速に惹かれていく。
関係を深めていく二人だが、
いまだ「この女性」を決められないテオは
その優柔不断さから、エマを傷つけてしまうことに――。
************************************
目の見えない女性とチャラ男の出会いと
その先についての物語。
ハンデがあっても
エマは明るく快活で、人生に前向きで
めちゃくちゃ魅力的な女性なんですね。
さらに
ハンデある人には「誠実な男」が相手というのが
セオリーだと思うんですが
この映画はそうしない。
彼女の恋の相手になるのは
まあ嘘をつくは、二股、三股は当たり前というどうしよもないチャラ男(笑)
でも、そこが
紋切り型を裏切っていて、なかなか魅力的なんですよね。
で、チャラ男の側にも
家族に縁薄く、十分な愛をもらえなかったという
身の上があったりして。
エマの何が、彼を動かすのか。
映画はじっくり時間をかけて、彼女と彼のやりとり、
二人の時間の過ごし方を追い、
観客にその答えを、肌感覚で納得させるんです。
まあ、傍目には
こんな男、やめとけ~とは思うのだけど(苦笑)
そこには、当事者にしかわからない愛もあるんだろうなーとか
なにより
ハンデなんて関係ないじゃん?
同じ土俵にあがって、何が悪いの?という
フェアネスがおもしろく、共感できました。
★3/23(土)から新宿武蔵野館ほかで公開。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます