ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

十三人の刺客

2010-09-21 23:41:21 | さ行

ベネチア映画祭、ホント惜しかったですねえ。


「十三人の刺客」70点★★★


江戸時代末期。

罪なき民衆をなぶり殺しにする
暴君、松平斉韶(なりつぐ)(稲垣吾郎)
業を煮やした老中は

御目付役・島田新左衛門(役所広司)
斉韶暗殺の命を下す。

新左衛門は11人の刺客を集め、
暗殺計画を練る。

が、かつて新左衛門の同門で
いまは斉韶の腹心となった鬼頭半兵衛(市村正親)が
計画を阻止すべく動き出していた……。


いや~
冒頭の切腹シーンから
かーなりギョッとさせられました。


三池監督らしい、容赦ないスプラッタシーンが炸裂する
これはもう
時代劇版・和製「300(スリーハンドレッド)」!

ただ
見ているときはキツいと感じても
いまもけっこう、映像が鮮明に
脳裏に残ってるんですねえ。


ろうそくの灯りのみのちらつきを忠実に再現した
目が悪くなりそうに暗い画面や

白塗り眉毛ナシの女たちなど
独自の描写力はさすがだし


13人の心理描写や、背景など何も説明せずに
ただただ、大義のために戦う姿を映すことで

混じりっけの一切ない“武士の美学”が
強烈に立ち上がってきた気がします。


50分に及ぶ決闘シーンの
工夫をこらした戦いぶりも
単純におもしろかった。


好き嫌い別にして
その迫力とオリジナリティで
昨今の時代劇ブームに一石投じる作品と思います。


それにしても稲垣吾郎演じる暴君が
ほんっとにイヤなヤツ!(失笑)

あのしれっとした顔で
超・超・残虐をしでかしてくれる。

これほどまでに
「早く死んでくれ!」と切望する悪キャラも
久しぶりかもしれません。

これはハマり役といえるかも……。

あ~思い返しても憎々しい!(笑)


★9/25から全国で公開。

「十三人の刺客」公式サイト

発売中の週刊朝日(10/1号)に
拙者が構成した
役所広司さんと市村正親さんの対談が掲載されてます。

血のりベッタリの現場の壮絶ぶりから
子育て談義まで、満載でござる。
ぜひ読んでくだされ。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ナイト&デイ | トップ | 大奥 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うむ~ (三本毛)
2010-09-22 02:02:11
スプラッタの要素があるのね……。

時代劇には興味あるけど、
首が飛んだり内蔵が出たりするの
いやだな~
返信する
そうね~ (ぽつお番長)
2010-09-22 12:14:25

首、飛ぶねえ。

稲垣吾郎の首はすっ飛ばしたくなるけどねぇ。

吾郎の郎ってこれでいいのか。
返信する

コメントを投稿

さ行」カテゴリの最新記事