アカデミー賞にも
ゴールデングローブ賞にも
入ってないのが謎すぎる。
これが番長的、
今年度(いまのところ)NO.1!
「わたしを離さないで」93点★★★★
1970年代。
イギリスの田園地帯にある
寄宿学校へールシャムで
幼なじみとして育った
キャシー、ルース、トミー。
外部から完全に遮断されたこの学校には
いくつか奇妙な点があった。
子どもたちの腕にはセンサーがつけられ、
毎日のように健康診断がある。
お金を持つこともなく
楽しみは学内の“交換会”で
がらくたの山から宝物を探すこと。
でもキャシーたちは
教師らに守られ
楽しい日々を送っていた。
やがて10代になった
ルース(キーラ・ナイトレイ)と
トミー(アンドリュー・ガーフィールド)は
恋人同士になる。
幼いころから
トミーを見つめてきたキャシー(キャリー・マリガン)は
複雑な思いだが
温かく彼らを見守る。
しかし、彼らには
このあと想像を絶する残酷な運命が
待っているのだった――。
なんという世界の構築力――!
そのなかで繰り広げられる
男1に女2という
永遠の“切な構図”に
マジで心がもぎ取られました。
10代のとき『ノルウェイの森』で爆泣したのと
同じ涙を流してしまった(照)
3人の背負った運命は
冒頭からだいたい察しはつくのですが
その倫理を飛び越えた
冷淡さと
圧倒的な切なさ、
はかない美しさはなんなのか。
セリフも少なく
描写もおだやかでとことん静か。
でもそこに
「言葉にはならない」
豊かな情景や情感がたっぷり入っている。
とても日本的というか
「言わずもがな、の美」や
「奥ゆかしさ」といったものが
感じられる作品なんですねえ。
原作は長崎生まれで5歳でイギリスに渡り
英最高の文学賞、ブッカー賞受賞した
カズオ・イシグロ。
映画のあとに原作を読みましたが
世界観はそのままに
でも、映画のほうがより切なくて素晴らしかった。
そして今年1月に行われた
イシグロ氏の
来日記者会見に行き
なぜこの作品が自分の、いや
日本人の琴線に触れるのか
理解できた気がしました。
イシグロ氏はこう話してました。
これは
非常に“日本的な”感覚を持った
作品だと。(やっぱり!)
彼が描こうとしたのは
たとえ悲しい境遇にあっても
悲観するばかりでなく
何をすべきかを考え
正しいことをしようとしたり
友情や愛をまっとうし
できるかぎり人生を
尊厳と意義あるものにしようとする
人々だということ。
――ってこれ、いま読み返すと
まさしく
今回の東北関東大震災で
世界が驚いた“日本の美徳”そのものじゃないですか!
こりゃ驚いたわ!!
本作があまり海外で評価されない謎について
前に映画会社の人とも話したんですが
アメリカ人などには
「どうして、キャシーたちは
寄宿学校から逃げ出さないんだ?」って
まず、そこがわかんないんですって(笑)
ああ、そこ、わかんないかって。
3.11を経て
いまこそ、なんか謎が解けた気がします。
いま見るの、切なすぎるかもしれない。
でもこの映画に共感できる人が
私は好きだ!
3/26からTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国で公開。
「わたしを離さないで」公式サイト
ゴールデングローブ賞にも
入ってないのが謎すぎる。
これが番長的、
今年度(いまのところ)NO.1!
「わたしを離さないで」93点★★★★
1970年代。
イギリスの田園地帯にある
寄宿学校へールシャムで
幼なじみとして育った
キャシー、ルース、トミー。
外部から完全に遮断されたこの学校には
いくつか奇妙な点があった。
子どもたちの腕にはセンサーがつけられ、
毎日のように健康診断がある。
お金を持つこともなく
楽しみは学内の“交換会”で
がらくたの山から宝物を探すこと。
でもキャシーたちは
教師らに守られ
楽しい日々を送っていた。
やがて10代になった
ルース(キーラ・ナイトレイ)と
トミー(アンドリュー・ガーフィールド)は
恋人同士になる。
幼いころから
トミーを見つめてきたキャシー(キャリー・マリガン)は
複雑な思いだが
温かく彼らを見守る。
しかし、彼らには
このあと想像を絶する残酷な運命が
待っているのだった――。
なんという世界の構築力――!
そのなかで繰り広げられる
男1に女2という
永遠の“切な構図”に
マジで心がもぎ取られました。
10代のとき『ノルウェイの森』で爆泣したのと
同じ涙を流してしまった(照)
3人の背負った運命は
冒頭からだいたい察しはつくのですが
その倫理を飛び越えた
冷淡さと
圧倒的な切なさ、
はかない美しさはなんなのか。
セリフも少なく
描写もおだやかでとことん静か。
でもそこに
「言葉にはならない」
豊かな情景や情感がたっぷり入っている。
とても日本的というか
「言わずもがな、の美」や
「奥ゆかしさ」といったものが
感じられる作品なんですねえ。
原作は長崎生まれで5歳でイギリスに渡り
英最高の文学賞、ブッカー賞受賞した
カズオ・イシグロ。
映画のあとに原作を読みましたが
世界観はそのままに
でも、映画のほうがより切なくて素晴らしかった。
そして今年1月に行われた
イシグロ氏の
来日記者会見に行き
なぜこの作品が自分の、いや
日本人の琴線に触れるのか
理解できた気がしました。
イシグロ氏はこう話してました。
これは
非常に“日本的な”感覚を持った
作品だと。(やっぱり!)
彼が描こうとしたのは
たとえ悲しい境遇にあっても
悲観するばかりでなく
何をすべきかを考え
正しいことをしようとしたり
友情や愛をまっとうし
できるかぎり人生を
尊厳と意義あるものにしようとする
人々だということ。
――ってこれ、いま読み返すと
まさしく
今回の東北関東大震災で
世界が驚いた“日本の美徳”そのものじゃないですか!
こりゃ驚いたわ!!
本作があまり海外で評価されない謎について
前に映画会社の人とも話したんですが
アメリカ人などには
「どうして、キャシーたちは
寄宿学校から逃げ出さないんだ?」って
まず、そこがわかんないんですって(笑)
ああ、そこ、わかんないかって。
3.11を経て
いまこそ、なんか謎が解けた気がします。
いま見るの、切なすぎるかもしれない。
でもこの映画に共感できる人が
私は好きだ!
3/26からTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国で公開。
「わたしを離さないで」公式サイト
しかし、この作品に限り反則をします。
なぜなら、番長がぶっちぎりの1位としたからです。どんな映画なのかさえ確認せずにレンタルで借りました。
ヘールシャムがどんな学校かが理解できた辺りで、不意に「スイッチを押すとき」を思い出しました。勿論、構成や子供たちの立場は違いますが...。
さて、原作も知らないので、あくまで私の想像ですが、ヘールシャムの生徒はクローン人間であり、自分の運命を決められているが故に逃亡さえも頭に浮かばないのでは。
スイッチ~では、希望を感じた所で自殺するという皮肉な結果でしたが、この作品では、自分の生の終了さえ受け入れる所に非常に重いものを感じました。
評価 重い映画。しかし、スクリーンで観るべきであった。
いや~
観ていただいて!
ありがとうございます!
なーんか、共有できたようで
うれしいですねー。
「スイッチを押すとき」
未見なので、今度観ときます。