ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

人生はシネマティック!

2017-11-09 23:29:33 | さ行

「17歳の肖像」監督作品。
うん、うまいなあ!


「人生はシネマティック!」73点★★★★


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1940年、第二次大戦下のロンドン。

コピーライターの秘書として雇われた
カトリン(ジェマ・アータートン)は

徴兵されたライターの代わりに
広告コピーを書いていた。

なかなかセンスある仕事をする彼女に
情報省映画局の脚本家・バックリー(サム・クラフリン)が目を留める。

実はバックリーたちは
イギリス政府は国民を鼓舞するための
プロパガンダ映画を作ろうとしていた。

バックリーにスカウトされたカトリンは
あの「ダンケルクの戦い」を題材に
映画作りに参加することになるが――?!


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映画制作を描く映画って
なんでこんなにおもしろいんだろ(笑)

映画愛が詰まってるから?

それに
「ダンケルク」がちょうど話題になっているだけに、タイムリー!


素人脚本家の奮闘を描きながら、
「どうやって物語を生み出すか?」「どう盛り上げるか?」などの
制作過程が描かれて

映画をおもしろくするために、脚本がどれだけ重要なのかを
改めて教わりましたハイ。

しかも
そのことをしっかり補完するように、
いいセリフがちゃんとあるんですよ。うまいなあ!


ヒロイン、カトリン演じる
「ボヴァリー夫人とパン屋」のジェマ・アータートン、大好きだし(笑)

ここぞの存在、
ビル・ナイがまたいい味出してて。


カトリンを映画作りに巻き込んだ超本人で
彼女にほのかな恋心を抱いていく脚本家バックリーが
彼女のよさを
「その切れ味がいい」と評する、そのセンスも好きだ。


既婚者であるカトリンに対し
進むに進めぬ、バックリーのもどかしい愛。

戦争中という「明日をも知れない」時代の刹那。


そんななかで、映画にどんな役割があったのか。
人々がその存在にどれだけ影響され、勇気付けられたかのか。

そんなことも考えさせて
映画愛がますます深まる良作でした。


★11/11(土)から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。

「人生はシネマティック!」公式サイト

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