このご時世、断捨離をしてる方も多いのでは?
カトリーヌ・ドヌーヴ様の断捨離は、こんな感じです(笑)
「アンティークの祝祭」69点★★★★
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フランスの、とある村の
大邸宅で一人暮らすクレール(カトリーヌ・ドヌーヴ)。
最近、意識がとんだり、記憶があいまいになったりする彼女は
ある夜、ふと悟る。
「今日が、私の最期の日だ」。
その翌朝。
彼女は長年かけて集めてきたコレクション
――からくり人形や時計、絵画や、高価な家具などなどを
ガレージセールで処分することにする。
見事な品々に、近隣の人々が集まり
セールは大盛況。
そんななか、疎遠になっていた娘(キアラ・マストロヤンニ)が
母の奇行を聞き、20年ぶりに、屋敷を訪れるのだが――?!
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死期を予感したマダム(カトリーヌ・ドヌーヴ)が
アンティークを処分しながら
現在と過去を行き交う、という物語。
なんといっても
是枝監督の「真実」(19年)も記憶に新しい
御年76歳・フランスの至宝、とされるカトリーヌ・ドヌーヴと
娘役を演じる、実の娘であるキアラ・マストロヤンニの
リアル母娘の共演、
そして
美麗なるアンティークの数々が見どころ、な映画です。
ドヌーヴ演じるマダムは、やや記憶に混乱が見られ
(そこそこ進んだアルツハイマーだと思われます)
けっこう「老け」をそのまま出していて
その潔さが、また美しいんですが
映画は、そんな彼女の頭のなかをさまようように、
現在なのか過去なのか、
夢かうつつか、その境界が曖昧に、交錯して描かれ、
どこかマジカルな雰囲気がある。
時間軸の行き来によって、次第に明かになるのが
夫との亀裂や、息子の死――など
家族の悲しい過去なんですね。
それゆえに孤独になったヒロインの悲哀、
そして
実の娘キアラ・マストロヤンニとの間にあるギクシャクした空気などは
果たして演技なのか?というほどに
リアルです(苦笑)
時間軸や夢が入り交じるマジカル感に
入り込めない方もいるかもしれない・・・・・・と思うのですが
ある意味、これは
「ゴースト」映画として観るのがいいのかもしれない。
ドヌーヴがもうそこにいなくて
過去を振り返ってる、みたいな感覚です。
それにラストはけっこう「あ!」という感じ。
監督は「やさしい嘘」(03年)や
シャーロット・ゲンズブール主演の「パパの木」(10年。これ、いい映画!)
さらにドキュメンタリー「バベルの学校」(13年。これもいい!)の
ジュリー・ベルトゥチェリ。
なかなか仕掛けてくるな、と思いました。
それにしても。
ドヌーヴが断捨離したコレクションを大放出する
あのガレージセールはマジで宝の山っぽく
ちょっとしたイスやカゴとか、超・いい感じで
ぜひ立ち会いたい!と思ってしまった。
ぜんっぜん断捨離、できない煩悩のかたまりとしては(苦笑)
あの一品一品を
目キキに解説してもらえれば、なお面白さ倍増な気がいたしました。
★近日公開。
※公開情報は公式サイト、劇場情報をチェックしてください。
よきタイミングでご鑑賞いただけることを願っています。
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