ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

メニルモンタン 2つの秋と3つの冬

2015-12-02 23:44:20 | ま行

新しいのか?
いや、懐かしい感じか。


「メニルモンタン 2つの秋と3つの冬」70点★★★★


*****************************


パリのはずれの街・メニルモンタンに暮らす
アルマン(ヴァンサン・マケーニュ)は

美大を卒業したものの、定職につかず
親友バンジャマン(バスティアン・ブイヨン)と
冴えない日々を過ごしていた。

33歳の誕生日を前に、アルマンは決意する。

「本当にもう、何か起きないといけない」。

だよな、自分!というわけで
とりあえずジョギングに出たアルマンは
キュートな女性アメリ(モード・ウィラ-)に出会うが――。


*****************************


「女っ気なし」「やさしい人」
いま最も旬な“やさしくて、でもダメな人(苦笑)”
ヴァンサン・マケーニュ主演。

このぽかんとしたビジュアルが
やけに笑えて、でもこのまんまっす(笑)

これで客が呼べるなんて
ある意味すごいよなア(ごめん!マケーニュ!)

主要人物は4人。

アルマン(ヴァンサン・マケーニュ)と、その親友、
アルマンと出会うアメリと、親友の恋人が

ときに独白しながらドラマを進め、
90分間苦もなく、スルスル観れてしまう。


過去を俯瞰する、未来からの冷めた視点があるかと思えば
「いま、まさに彼女が好きだー!」という
現在進行中な様子も
もう、自由にごちゃまぜになる。

ヌーヴェル・ヴァーグ精神や
ゴダールへのオマージュと評価されているのも
よくわかります。

誰にでもある(ない人もいるのか?)
青春時代を過ぎて、なお
どうすんだ?お前?という

どうしようもない時代を描き
ぐぅ……、となりました。

ただ、まあ
超・個人的な話で「それで?」言われれば
それまでなんですけどね(笑)

ちなみに。
アメリが前カレとデートするカフェで
頼んだワインはAOCマディラン。

ポー川流域出身だという
親友バンジャマンの家で出ているのは
アルマニャックでしょう。

雪山でチーズフォンデュと合わせているのは
サヴォワの白あたりでしょうか。

セバスチャン・ベベデール監督自身が
ポー市の生まれだそうで
なーるほど!ワインにもご当地色が出てる!(笑)


★12/5(土)からシアター・イメージフォーラムで公開。ほか全国順次公開。

「メニルモンタン 2つの秋と3つの冬」公式サイト

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« SAINT LAURENT/サンローラン | トップ | アンジェリカの微笑み »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ま行」カテゴリの最新記事