ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ワンダー 君は太陽

2018-06-11 22:58:19 | わ行


「ウォールフラワー」監督。

うん、いい映画!

 

「ワンダー 君は太陽」77点★★★★

 

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10歳のオギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は

遺伝子の疾患で、顔に特徴を持って生まれてきた。

 

ずっと自宅学習を続けてきたオギーを

ママ(ジュリア・ロバーツ)は学校に行かせることを決める。

 

いつも愉快なパパ(オーウェン・ウィルソン)と

優しい姉(イザベラ・ヴィドヴィッチ)に見守られ、初登校をしたオギーだが

奇異なまなざしをむける子どもたちの態度は容赦なかった。

 

いじめられ、孤立するオギーだが

次第に彼の頭のよさ、持ち前のユーモアセンスに、気づく子どもが現れて――?!

 

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文句なしにいい映画! 

 

お涙頂戴でなく、ピュアで爽やかで

笑いながら明るい涙を流せてスッキリします。

 

まず原作者R.J.パラシオが

この物語を書いた動機が素晴らしいんですよ。

 

彼女はあるとき街のアイスクリーム屋で、実際に顔に特徴のある少女に出会ったそうなんです。

そのとき彼女の幼い息子が、驚いて泣き出してしまった。

そして、焦った彼女はうまく対応ができなかった。

パラシオさんはそれからずっと

「あのとき、どうすればよかったのだろう」と考え続け、

その答えを物語に描いたというのです。

 

うーん、実に納得。それをまた監督がよく汲み取って描いてるんですねえ。

 

例によって予備知識ナシで観たので

ワシ、ずっと主人公のオギー少年を、そうした特徴を持つ子が演じてるのだと思って観てた(笑)。

演じているのが「ルーム」のあの天才少年ジェイコブ・トレンブレイ君と知って

二度びっくり。そしてまた納得。うまいなあ。。。

 

 

オギーはとても聡明でキュートで

家族のムードも明るいんだけど、「異質なるもの」への子どもたちの目は容赦なく

オギーは学校でいじめられ、孤立してしまう。

 

でも、心ある少年が突破口を開き、

オギーは少しずつ、世界へ踏み出していく――という展開。

 

またこの話、主人公オギーだけの視点ではなく、彼を取り巻く人々の

複数の視点で語られて進むのが、うまいなあと。

物語を多面的に、俯瞰で観ることができるんですねえ。

 

また切り取られる人物から、

ジュリア・ロバーツらビッグキャストを外したのも、心憎い。

お調子者で一家のムードメーカーなパパ役のオーウェン・ウィルソンもよくハマった。

 

それに

オギーの友人となる少年を演じるノア・ジュブ君がすごくいい。

「サバ―ビコン 仮面を被った街」にも登場してましたが

「リトル・ランボーズ」から出世した

ウィル・ポーターみたいになるだろうな。

 

多様性とは、人が人と違うことを見ないふりをしたり、お愛想の共感で流すことじゃない。

この映画で、改めて、それを教わった気がします。

 

おなじみ「AERA」でスティーヴン・チョボスキー監督とジェイコブ・トレンブレイ君に

インタビューさせていただきました。

テーマに深く共感し、演じきったジェイコブ君、やはり天才。

まるで親子? のような二人でしたが

監督曰く「いやいや!ジェイコブのパパはとーってもハンサムなんだよ!悪いよ!(笑)」だって(笑)

 

6/25発売の号に掲載予定です。

映画と併せて、ご一読ください~

 

☆6/15(金)からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。

「ワンダー 君は太陽」公式サイト

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