簡単ではないけど、読み解く楽しみはある。
「ビューティフル・デイ」68点★★★☆
************************************
元軍人のジョー(ホアキン・フェニックス)は
行方不明者の捜索を請け負うスペシャリスト。
彼が得意とするのは
人身売買や性犯罪の闇に呑まれた少女たちの捜索だ。
これまでもヤバい相手や現場をものともせずに
何人もの少女たちを救ってきた。
そんなある日、ジョーは
州上院議員から「娘のニーナ(エカテリーナ・サムソノフ)を、売春組織から取り戻してほしい」と依頼される。
いつものように、組織のアジトに乗り込み、ニーナを救出に行った彼だが
思わぬ事態が起こり――?!
************************************
「少年は残酷な弓を射る」で衝撃を与えた、リン・ラムジー監督の新作。
全体に印象派というか、抽象的なので、
ふつうに見やすいアクションやサスペンスではないんです。
行方不明の少女を探し出す主人公で元軍人ジョー(ホアキン・フェニックス)の
戦場でのPTSDや、少年時代の忌まわしい記憶や悪夢が
少女救出というハードなアクション描写のあいだに挟まり、交錯する感じ。
映像のなかに様々なキーが仕掛けられ
(主人公の家の壁に掛けられた絵が気になる!)
読み解く楽しみはあるんですけど、
反面、いろいろ思わせぶりすぎる!とも言える。
かなり抑えてはあると思うけど
バイオレンスがざわざわと騒ぐのも、苦手な人にはつらいかも。
でもってちょっと
ナタリー・ポートマン×ジャン・レノの「レオン」(94年)を
思い出したりするのでした。
しかし、いま見直すと「少年~」の評価は、もっと高くてもよかったなーと思う。
ワシ、この監督の独特な、なんというのか
粘度、のようなものにちょっと合わないところがあるようで
だから本作もあとになって
「いや、よかったよなー」とか思うのかもしれないなー。
そりゃ、ありますよ、そういうの。人間だもの(開き直り。笑)。
★6/1(金)から全国で公開。