ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ビューティフル・デイ

2018-06-01 23:15:19 | は行

 

簡単ではないけど、読み解く楽しみはある。

 

「ビューティフル・デイ」68点★★★☆

 

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元軍人のジョー(ホアキン・フェニックス)は

行方不明者の捜索を請け負うスペシャリスト。

 

彼が得意とするのは

人身売買や性犯罪の闇に呑まれた少女たちの捜索だ。

 

これまでもヤバい相手や現場をものともせずに

何人もの少女たちを救ってきた。

 

そんなある日、ジョーは

州上院議員から「娘のニーナ(エカテリーナ・サムソノフ)を、売春組織から取り戻してほしい」と依頼される。

 

いつものように、組織のアジトに乗り込み、ニーナを救出に行った彼だが

思わぬ事態が起こり――?!

 

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「少年は残酷な弓を射る」で衝撃を与えた、リン・ラムジー監督の新作。

 

全体に印象派というか、抽象的なので、

ふつうに見やすいアクションやサスペンスではないんです。

 

 

行方不明の少女を探し出す主人公で元軍人ジョー(ホアキン・フェニックス)の

戦場でのPTSDや、少年時代の忌まわしい記憶や悪夢が

少女救出というハードなアクション描写のあいだに挟まり、交錯する感じ。

 

映像のなかに様々なキーが仕掛けられ

(主人公の家の壁に掛けられた絵が気になる!)

読み解く楽しみはあるんですけど、

反面、いろいろ思わせぶりすぎる!とも言える。

 

かなり抑えてはあると思うけど

バイオレンスがざわざわと騒ぐのも、苦手な人にはつらいかも。

 

でもってちょっと

ナタリー・ポートマン×ジャン・レノの「レオン」(94年)を

思い出したりするのでした。

 

しかし、いま見直すと「少年~」の評価は、もっと高くてもよかったなーと思う。

ワシ、この監督の独特な、なんというのか

粘度、のようなものにちょっと合わないところがあるようで

 

だから本作もあとになって

「いや、よかったよなー」とか思うのかもしれないなー。

 

そりゃ、ありますよ、そういうの。人間だもの(開き直り。笑)。

 

★6/1(金)から全国で公開。

「ビューティフル・デイ」公式サイト

コメント
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