俳優スタンリー・トゥッチ氏が監督してます。
「ジャコメッティ 最後の肖像」70点★★★★
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1964年、パリ。
アメリカ人の作家ロード(アーミー・ハマー)は
売れっ子彫刻家のジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)から
「肖像画のモデルになってくれないか。すぐに終わるし」と頼まれる。
巨匠の仕事を間近で見られる絶好のチャンス!と
引き受けたロードは
しかし、描いては消し、
かんしゃくを起こす芸術家を前に
永遠とも感じる時間を過ごすことになる――。
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実際にジャコメッティのモデルとなったロード氏が書いた
『ジャコメッティの肖像』をもとに
俳優スタンリー・トゥッチ氏が監督した作品です。
このところ、画家・芸術家を描いた映画が本当に多くて
いろいろアプローチ法が違うし、おもしろいんですけど
本作の「振り切り具合」はけっこう出色。
ジャコメッティといえば
あのひょろ長い彫刻でおなじみだけど
彫刻でなく、肖像画を描く、という場面を選び、
しかも晩年の18日間のみにフォーカスしている。
そして
いそいそとモデルを引き受けた若者(アーミー・ハマー)が
しかし延々と完成しないその制作過程に
ひたすら堪え忍ぶさまを
観客も一緒に体験する、という(笑)。
でも、諸所にコミカルというか、ユーモアがあって
かつ
ジェフリー・ラッシュ演じるジャコメッティが
奇妙なほど本物っぽく魅力的なので
辛抱しつつ、
その人となりに、惹かれるのも確か。
ジャコメッティとロードの関係は
編集者と作家の関係にも似ているし
なにより取材する側である自分と
アーティストの関係にも近しいなあと
なかなか興味深かった。
そして
明日1/4(木)発売のAERAにて
トゥッチ監督にSkypeインタビューした記事が掲載されます。
朝のご自宅で
バックにお子さんの泣き声も聞こえるなか(笑)
監督業、そしてパパ業についてのお話、伺いました。
ぜひ映画と合わせてご一読くださいませ~
★1/5(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。
「ジャコメッティ 最後の肖像」公式サイト