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ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

Ryuichi Sakamoto:CODA

2017-11-02 23:46:54 | ら行

正直、感動した。


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映画「Ryuichi Sakamoto:CODA」77点★★★★


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3.11後、5年間の坂本龍一氏に密着したドキュメンタリー。

おもしろかったし、かなり感動しました実際。


冒頭、津波で残ったピアノとの対峙や
原発反対デモから始まるので
最初は「メッセージ色」が強いのかと思ったんです。

でも、違う。

そのままカメラは自然に
彼の自宅(兼スタジオなのかな)に入っていき
2014年に自身が中咽頭がんを患った話になる。

「え?病気で回顧モード?」と思うと
これもまた違う(笑)


そして映画は
被災地で弾く戦メリから、

彼がインスピレーションを得ている
タルコフスキーの写真集、(ワシ、オリジナルじゃないけど、同じの持ってるよ!

撮影当時、頼まれていた「レヴェナント」の曲作りから
自然とYMO時代、戦メリ、ラストエンペラーの名曲へと
映画の映像と音楽で振り返られていくんですね。


こうやられると、
やはり名曲だとしみじみ感じるんですよ。
「ラストエンペラー」ジョン・ローン、好きだったなあ……。


監督は日本人の母とアメリカ人の父を持つ
スティーブン・ノムラ・シブル氏。

ワシと同じ1970年生まれだそうで
ああ、たぶん、同じような“サカモト体験”をしてるんじゃないかなあ!と思った。

中学時代にちょっと遅いYMO体験をし、
リアルタイムで「戦メリ」がきて
高校時代には「ラストエンペラー」を見てたはず。

だから断然、
「映画音楽」=坂本龍一が強い世代なんじゃないかなあと。


そこの共鳴度、高かったなあ。


気難しそうな“教授”が
音作りの様子や住まいの風景もオープンに撮らせているし

なにより
闘病後、スマートになり、
若々しさとエネルギーを得たようなその姿に、
そして、なにか「達観」の域を感じさせる穏やかさに

こちらが「やすらぎ」をもらったような
不思議な気持ちになりました。


★11/4(土)から角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開。

「Ryuichi Sakamoto:CODA」公式サイト
コメント
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