あっはは(笑)

でもね、いろんな意味で、怖いのこれも。

「シンクロナイズドモンスター」72点★★★★




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ニューヨークでライターをしていた
グロリア(アン・ハサウェイ)は
仕事で失敗し、失業してしまった。

その後、毎晩、飲み歩いてばかりのグロリアは



あきれた彼氏(ダン・スティーヴンス)に家を追い出され、


空き屋となっていた田舎の実家に転がり込む。
しかし、地元で幼なじみのオスカー(ジェイソン・サダイキス)と再会したグロリアは
相変わらず、毎晩飲んでヘロヘロ(苦笑)。



そんなとき、
ソウルに巨大怪獣が現れた!

その映像を見たグロリアは驚く。
「え?ちょっとまって?
この怪獣のしぐさ、あたしにそっくりなんですけど?!

巨大怪獣と彼女に、いったいどんな接点があるというのか――?!

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あのアン・ハサウェイが
モンスター映画に主演&製作総指揮?!

話題の作品です。

酒に溺れるダメダメ女子(アン・ハサウェイ)と巨大怪獣に接点が……?!という
トンデモ設定で
職ナシ、家ナシ、彼氏ナシで崖っぷちの
アン・ハサウェイのダメっぷりが
本当におかしくて、可愛いし
あっはは!

でもね
笑って、おバカで、終われるか?と思ったら、
これがけっこう怖いんです、いろんな意味で。

まず感じたのは
これは「依存と支配の物語」だってこと。

アン・ハサウェイのダメっぷりは
笑いと巨大怪獣の姿を借りて
ほかのメッセージを含んでいるというか
奥には
アルコール依存の人への
きついお灸も含んでいる気がする。

そして
依存しているのは彼女だけでなく、
一見“いい人”な

オスカーは女性への依存と執着の結果、
実は
汚い手段(暴力や脅し)で人を支配しようとするタイプ。

しかし
決して特殊な男ではないんですよ。

依存→執着→DVへ発展する話は
ホントよくあるし
彼と友人たちの関係にも
故郷や田舎との関係にも
ある種の依存と支配の構造がある。
あっはは、のおかしさのなかに
ワシはリアルな怖さを感じて、ちょっとゾクッとしました。

でも、実際笑えます、たっぷり(笑)
よくできてると思います。

ちなみにワシ的
アン・ハサウェイのベストムービーは
「プラダを着た悪魔」
「レイチェルの結婚」
「ラブ&ドラッグ」
ダメと笑いが入ってるのがいいんですよね。


★11/3(金・祝)から新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
「シンクロナイズドモンスター」公式サイト