「アンナと過ごした4日間」の監督作です。

「イレブン・ミニッツ」70点★★★★




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ある大都会。


ヘルマン(ヴィウチェフ・メツファルドフスキ)は

女優の妻アニャ(パウリナ・ハプコ)と

睡眠薬を飲んで眠る。
アニャは「午後5時に約束がある」と言っていた。

そのころ、ホテルの一室で
別の男(リチャード・ドーマー)が部屋の電話コードを抜いている。




そこにやってきたのはアニャだった。


目を覚ましたヘルマンは
妻を探しながら、犬を連れて街に出る。



彼らはホットドッグ屋台の前を通り過ぎ



そこでは5人の修道女たちが
ホットドッグを買っている。





こうして
点景に見える見ず知らずの人々が
やがて、大きな物語の一部となっていく――。

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「アンナと過ごした4日間」(08年)
「エッセンシャル・キリング」(10年)(これ、あんまりいい評価してなかったな・・・笑)の
78歳、イエジー・スコリモフスキ監督の新作。

どんな映画か知らずに見ると面白いと思いますが、
つまり
「そのとき」に向けての81分間を
11人の人々と1匹の犬

見ていくというもの。
一見関わりのないような人々の視点が
交互に入れ替わり、進んでいく。



で、「何が起こるのか?」は
まったくわかりません。

そこがミソ。


斬新な編集にも若々しさが弾けているし


暗示的な様子や、犬の目線など
ゴダールの「さらば、愛の言葉よ」を思わせたりもします。
冒頭からiPhoneや監視カメラ画像、
スカイプ画面などを多様しているのは
「第三者の目」、現代の「神の眼」を表現しているのだろうか。

でも、いっぽうでサスペンス要素が高く、
ちゃんとエンタメにしているのが面白い。

ハラハラが続くし

不穏な音の使い方も盛りがります。

ただ、
「そのとき」まで
ちょっともったいつけすぎかなー


でも、楽しめましたよ。

★8/20(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
「イレブン・ミニッツ」公式サイト