ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

Mommy/マミー

2015-04-23 23:40:42 | ま行

この人、超えてきましたよ、自分自身を。


「Mommy/マミー」82点★★★★


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とある世界にある、カナダという国での出来事。

シングルマザーのダイアン(アンヌ・ドルヴァル)は
ピンチに立たされていた。

15歳の息子スティーヴ(アントワン=オリヴィエ・ピロン)を
施設から引き取り、自宅で見なければならなくなったのだ。

スティーヴは知的な少年だが
ADHD(多動性障害)を持ち、
攻撃的になると手が付けられない。

そんな二人の前に、隣人の女性が現れて――?!


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グザヴィエ・ドラン監督の新作。

これは衝撃を受けました。


前作「トム・アット・ザ・ファーム」で
ちょっと走りすぎではと不安になっただけに
この飛躍には、驚いたというか感動した。


自分のテリトリーから、
大きく一歩外に出たという感じ。


「マイ・マザー」と同じ母親と息子という
テーマに回帰しながらも

これまでの自分の分身のようなキャラクターから
また違う“困難”を持った主人公を作り出すことで

自意識や自己探求から踏み出し、
広い視点を得たのだと思います。

でも、その核にある
絶対的な自分は、揺るがない。


母親、隣人の女性などのキャラクター造形、洞察も
深みを増しているし、
ユーモアもたっぷり。


特に今回、特徴的な
1:1比率の正方形の画面の息苦しさといったら!

それは人間の“個”の限界を表現しているんだと思う。

その関係がつながった瞬間の
開放感と高揚がたまりません。

それは悲しいことに一瞬だったりするんだけどね。

いや~
この人、どこまで跳べるんだろうと
心がワサワサしてきますね。

余談ですが
この映画のプレス資料は
ファション誌並みのクオリティで



監督が自身のビジュアルを計算し尽くした
超オシャレな写真がたくさん載ってるんですよ。

映画を観る前は「若干のケッ」がありましたが
観た後は大声で言います。

「うん!好きなように、やっていい!」(笑)


★4/25(土)から全国で公開。

「Mommy/マミー」公式サイト
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