ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

アメリカン・スナイパー

2015-02-16 19:10:38 | あ行

これはねえ……
フクザツな気持ちですねえ。


「アメリカン・スナイパー」68点★★★☆


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クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は
テキサス州に生まれ育った生粋のカウボーイ。

テレビで9.11を見て衝撃を受け、
軍隊に入ったカイルは

子どものころから得意だった射撃の腕を買われて
スナイパーとなる。

だが、初めて任務についたイラクの地で
彼の照準が捉えたのは
まだ幼い少年とその母親だった――。


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クリント・イーストウッド監督が
イラク戦争で米軍史上最多の160人を射殺した
実在の“伝説のスナイパー”を描いた話題作。


もちろん完成度は抜群です。

劇場で予告を見てるだけで
相当ハラハラしたし「観たい!」と思いましたが
そのとおりのドキドキでした。

見終わってもしばらく耳が「キーン」となっているような
銃撃音の臨場感がものすごくて。
主演ブラッドリー・クーパーのマッチョな役作りもすごい。

ただワシは
同じくフクザツな気持ちになっても
ブラピの「ヒューリー」のほうが心動きました。

この映画は
戦場にあるのは銃声と爆音と、瞬間の判断、
そして「生と死」の現実だけだと、マジで突きつけてくる。

あえて徹底的に
ヒューマンな部分をそぎ落としたのだろうなあと思いますが
その分、あまり心が動かないのがちょっと残念。


戦場から家族のもとに戻っても
主人公が「心を戦場に置いている」その狂気はバリバリ伝わるけど
それは「ハート・ロッカー」でも描いてるしね。

ただ
もともとゴリゴリのカウボーイで
「男たるもの、戦って家族を守れ」と叩き込まれて育った人物が
こういう経緯を辿るんだなあ、と。

ラストも含め
“アメリカ”を描いているという点で
納得するものはありました。


★2/21(土)から全国で公開。

「アメリカン・スナイパー」公式サイト
コメント
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