これはねえ……
フクザツな気持ちですねえ。
「アメリカン・スナイパー」68点★★★☆
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クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は
テキサス州に生まれ育った生粋のカウボーイ。
テレビで9.11を見て衝撃を受け、
軍隊に入ったカイルは
子どものころから得意だった射撃の腕を買われて
スナイパーとなる。
だが、初めて任務についたイラクの地で
彼の照準が捉えたのは
まだ幼い少年とその母親だった――。
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クリント・イーストウッド監督が
イラク戦争で米軍史上最多の160人を射殺した
実在の“伝説のスナイパー”を描いた話題作。
もちろん完成度は抜群です。
劇場で予告を見てるだけで
相当ハラハラしたし「観たい!」と思いましたが
そのとおりのドキドキでした。
見終わってもしばらく耳が「キーン」となっているような
銃撃音の臨場感がものすごくて。
主演ブラッドリー・クーパーのマッチョな役作りもすごい。
ただワシは
同じくフクザツな気持ちになっても
ブラピの「ヒューリー」のほうが心動きました。
この映画は
戦場にあるのは銃声と爆音と、瞬間の判断、
そして「生と死」の現実だけだと、マジで突きつけてくる。
あえて徹底的に
ヒューマンな部分をそぎ落としたのだろうなあと思いますが
その分、あまり心が動かないのがちょっと残念。
戦場から家族のもとに戻っても
主人公が「心を戦場に置いている」その狂気はバリバリ伝わるけど
それは「ハート・ロッカー」でも描いてるしね。
ただ
もともとゴリゴリのカウボーイで
「男たるもの、戦って家族を守れ」と叩き込まれて育った人物が
こういう経緯を辿るんだなあ、と。
ラストも含め
“アメリカ”を描いているという点で
納得するものはありました。
★2/21(土)から全国で公開。
「アメリカン・スナイパー」公式サイト