アカデミー賞でも大注目なんですけどね。
「フォックスキャッチャー」65点★★★☆
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1988年、アメリカ。
4年前にロサンゼルス五輪で金メダルを獲得した
レスリング選手、マーク・シュルツ(チャニング・テイタム)は
しかし、いまは苦しい生活をしていた。
そんな彼に夢のような誘いがくる。
大企業デュポン社の御曹司(スティーヴ・カレル)から
「レスリングチームを作るので来てほしい」と言われたのだ。
マークは
同じくレスリング金メダリストの兄(マーク・ラファロ)を誘い
チームに参加しようと誘うのだが――?!
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「カポーティ」「マネーボール」のベネット・ミラー監督が
実際に起こった事件を描いた作品。
いやあ、これはですね
超絶なほど、自由気ままに、静かな映画ですよ。
鏡のように静まりかえる湖面のよう。
役者陣の入魂というか憑依というのか
変化ぶりはすごくて
チャニング・テイタムの身体作りっぷりもすごいけど
なによりも、これがスティーヴ・カレルだって
全然わからなかった!マジで。
マーク・ラファロだって
「はじまりのうた」の彼ですよ?
「え?この人だったの?」とびっくりですわい。
ただ、話としては
結局は母親に抑圧された金持ち男の歪みと、
それにスポイルされてしまう若者の苦しみ……というところで
心動かされる「これ」というものがない。
ひんやりとした映像からは
終始、不穏がつきまとい
すべからく大人の表現だとは思うんですが
なんというんでしょう
誰の感情も“表面化”しないために
見ていて、息苦しい。
究極の静寂(映像)のなかでの役者のぶつかり合いは
見応えありますですハイ。
★2/14(土)から新宿ピカデリーほか全国で公開。
「フォックスキャッチャー」公式サイト