「ミッドナイト・イン・パリ」「人生万歳!」好きすか?
じゃ、これも間違いないと思う!
「恋のロンドン狂騒曲」78点★★★★
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サリー(ナオミ・ワッツ)と
夫ロイ(ジョシュ・ブローリン)は
一見、平凡な夫婦。
しかし、実際は危機に陥っていた。
一発屋の作家ロイが新しい仕事を全然しないので
サリーのイライラは頂点に。
しかしロイは妻の心知らず
隣家に越してきた
エキゾチックな若い娘(フリーダ・ピント)に目を奪われている。
そのころサリーの両親も危機に陥っていた。
父(アンソニー・ホプキンス)が突然若返りをもくろみ
家を出て行ってしまったのだ。
傷心から怪しいカウンセラーや
宗教方面にハマった母(ジェマ・ジョーンズ)は、
娘にも救済を授けようとするが――?!
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初老の親世代カップルと、
その娘である30代カップルの恋愛における混戦模様を
熟練技でさばき
「ミッドナイト・イン・パリ」の軽妙さと
「人生万歳!」の世代カップル考察を
より深めたような感じ。
軽快なジャズに
絡まる男女のとんちんかんな(笑)恋愛模様、
小粋なナレーション・・・と
望むもの全てに応えてくれてるアレン映画ですねえ。
どんずまりな人生から一歩踏み出す人、
よからぬ企みが裏目に出る人。
どの人物の行状も、その観察眼が見事すぎて、
心地よくて、笑えるんです(笑)
先行して公開されたウディのドキュメンタリー映画
「映画と恋とウディ・アレン」を
併用するとよくわかるんですが
彼はホントに“恋バナ”を生涯考察し続け、
76歳のいま
その研究と実践の歴史が
円熟味と洒脱を極めて、結実したんだなアと。
「映画と~」にもあったけど
彼にもイマイチな時代もあったわけで。
「ギター弾きの恋」(99年)とか
「スコルピオンの恋まじない」(01年)とか。
このへんって自分主演の形態と恋愛観に
少々、無理が出てきた感じ。
でもその後
「さよなら、さよならハリウッド」(02年)で
まさに“老いた自分”を生かした
“ヨボ芸”で返り咲き
同時に自分を登場させない
完全な客観的見地のもと
「マッチ・ポイント」(05年)のような傑作が生まれた。
その後
スカヨハ熱も一段落し(笑)
ヨボ芸のエッセンスを入れつつ、
それを役者に投影させて
最近の連作は大成功してると思う。
本作も
アンソニー・ホプキンスに全て任せ、
うまくいってますね。
ナオミ・ワッツのあのうんざり顔ったらもう!(笑)
★12/1(土)からTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほかで公開。
「恋のロンドン狂騒曲」公式サイト