ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ソウル・サーファー

2012-06-08 21:24:11 | さ行

自分でも驚くほど、
心洗われました。


「ソウル・サーファー」72点★★★★


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ハワイに暮らす
13歳のベサミー・ハミルトン(アナソフィア・ロブ)は、
子どものころから波に親しんできた
天才サーファー少女。

理解ある家族に支えられ、
プロサーファーを目指す彼女に、
悲劇が起こる。

練習中にサメに襲われ、左腕を食いちぎられてしまったのだ――!

彼女は再び波に乗ることができるのだろうか――?!

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片腕を失った少女サーファーの実話に基づく映画。

いわゆる「いい話」かと
薄汚れた大人は斜めに構えて見たんですが、
いやすみません、マジで心洗われました。

特にエンドロールの本人登場にはジンときましたねえ。


冒頭からはライバルあり、大会のスリルあり、と
スピーディーな展開の青春映画で、
しかし確実に訪れる瞬間までハラハラ。

そして悲劇にぶち当たった少女は、
意外なまでに冷静さを失わす、前進しようとするんです。

彼女の心の中で、
何が渦巻いているかは計り知れませんが、
それを可能にするのが若さでもあり、
本人のたぐいまれな、心の強さなんでしょうね。

事故後、ベサニーが鏡を直視するシーンが象徴でした。

この映画が嘘っぽい「感動」でないのは、
彼女を下支えする家族の団結がリアルだからでもあります。
そこはハワイという土地柄も大きいと感じます。

本物のベサニーは
プロサーファーとして現在も活動中で、
本作でもサーフィンシーンでスタントをやっています。

社会貢献活動をする彼女が劇中で
「困っている人を両腕で抱きしめるより、
(片腕の自分ががんばることで)
多くの人に勇気を与えられる」とスピーチするんですが、
10代にしてこのコメント、言えないよフツー。エライ!

母親役のヘレン・ハントも綺麗でした。

この映画はぜひ10代や、または親子連れにおすすめしたい。
見ればきっと勇気を与えてくれるはずです。

★6/9(土)から全国で公開。

「ソウル・サーファー」公式サイト
コメント (6)
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