「未来の食卓」監督の続編です。
「セヴァンの地球のなおし方」70点★★★☆
「大人たちにお願いです。
どうやってなおすかわからないものを
壊し続けるのは、もうやめてください――」
1992年の地球環境サミットで
伝説のスピーチをした
12歳の少女・セヴァン・スズキ。
29歳になった彼女を中心に、
各国で「地球のなおしかた」を考え、行動する人々を取材した
ドキュメンタリーです。
セヴァンはカナダ在住で
お父さんが日系3世の環境活動家。
8歳でクラスメートと
「子ども環境活動」というクラブを立ち上げ
自らサミットに出席したっつうからスゴイ。
しかし決しておっかない活動家、ではなく
12歳当時もいまも
やさしく、わかりやすく
「環境破壊をやめよう」と語ってくれる。
そのほか
前作で小学校の給食を
すべてオーガニックにした
フランス・バルジャック村のその後の様子や、
コルシカ島のワイン農家などが紹介されます。
特に日本での取材が多いのが
我々にとってはうれしいところ。
福岡県で合鴨農法をしている農家や、
福井県で子どもたちのために
無農薬食材を育てる農家のお母さんたちも登場します。
ただ
ジャン=ポール・ジョー監督というのは
いたくマジメな人物で、
本作もいたってマジメな
ドキュメンタリーになってる。
映画的なサービスや工夫は薄く、
「複数のパーツをつないだ」感はあります。
しかし、その思いの純粋さが
映像に写っているし、
いま見るべき映画として70点。
それに本作が作られたのは2010年。
震災後、また状況も変わってますしね。
ぜひ。
★6/25から東京都写真美術館、渋谷アップリンクで公開。ほか全国順次公開。
「セヴァンの地球のなおし方」公式サイト
余談ですが
日本でもオーガニック、だいぶ認識されてきたし
いい方向に行ってるのかなーと思ってたんですが
先日、関係者に伺ったところ
状況は決して好転してないらしい。
それどころか
後退しているというんです。
たしかに
原発、放射線うんぬん、というなかにあっても
おサイフ事情もより厳しくなり、
ちょっと高くても安心な野菜、に
手が出しにくくなってしまうのかもしれない。
難しいとこだけど
でも、こういう映画を見て考え
意識し続けるしかないんだろうな。