小泉政権後の約5年にわたる構造改革ビジョンは、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」で示されている。二宮厚美・神戸大学発達科学部教授は、「経済・財政一体改革」に続いて提示される「歳出・歳入一体改革」は、ギリシャ神話の「プロクルステスの寝台」だという。盗賊プロクルステスは、旅人を寝台に横たえて、その寸法より短ければ、その身丈を引き伸ばし、そこから足や頭がはみだせば、これを切り落としたという。この寝台の長さは、「骨太06」が最優先課題とした「経済・財政一体改革」すなわち多国籍大企業の成長・競争力の強化によって決められる。まず最初に「歳出」がベッドに横たえられる。ベッドの寸法から大きくはみでたのは、社会保障と自治体向け歳出である。さしずめ社会保障はベッドからはみ出した頭の部分であり、足の部分が自治体向け歳出である。頭と足は、プロクルステスのやり方と同じように、切り落とされる運命にある。国民からみれば、歳出で社会保障や自治体財政を削減されることは、自らの生存・生活のために生き血を流すことであり、歳入で消費税が増税されることは、生き血を吸い取られことである(二宮厚美「ポスト小泉構造改革と改憲志向のシナリオ」『ポリティーク12号』20061225)。 . . . 本文を読む
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