プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

高齢者医療  資本主義経済に役立たない老人を「改革」の名で切り捨てる「朝日」社説

2007-10-03 19:13:05 | 政治経済
福田康夫首相は10月1日、衆参両院の本会議で、就任後初の所信表明演説をおこなった。参院選でのきびしい審判を反映し、内閣の基本方針として、「自立と共生」をかかげる一方、「希望と安心の国づくり」の推進を強調。高齢者医療制度の検討、格差への対応や若者の雇用対策、子育て支援などを列挙した。「若者に希望、お年寄りに安心を」というなら、若者から希望を奪い、お年寄りから安心を奪ったのは何だったのか具体的な検証と処方箋が必要だが、具体的中身はなにもなかった。しかし、言葉の上に過ぎないとしても、「生活者の視点」「国民の信頼」などをくり返さざるを得なかったのは、参院選の結果が政治を動かしはじめたということだろう。ところが、本日(10月3日)付「朝日」社説は、自民党・公明党間で政権合意した高齢者医療の負担増凍結について、「負担凍結は目くらましだ」、「新しい制度(高齢者医療制度)と負担増は、少子高齢化が進めば、若い世代の負担が重くなり、制度が立ちゆかなくなるとして設けられた」。「一律に弱者とは言えない高齢者の負担増の凍結は、育児や住宅ローンに苦しむ若い世代の反発を招くだろう」と批判。「高齢者が安心して暮らせる仕組み」がほしいなら、「例えば、福祉目的の消費税など新たな財源に正面から取り組む」のが「政権与党の責任である」と異論を唱えている。「朝日新聞」の「構造改革」信奉の行き着く先が、いかに財界主流(多国籍大企業)の階級的利益を代弁する ものとならざるをえないかこれほどわかりやすく示すものはない。 . . . 本文を読む