とりあえず一所懸命

鉄道の旅や季節の花、古い街並みなどを紹介するブログに変更しました。今までの映画や障害児教育にも触れられたらと思います。

ウィニングパス

2006-06-24 21:36:01 | 映画
 先日岐阜で行われた障害者問題研究会の青年期集会に参加したせいか、障害者、特に青年期の問題が心に引っかかっています。以前読んでショックを受けた本(『知的障害者の恋愛性に光を』(かもがわ出版)を読み返したりしています。

 その時読んだレポートからも刺激を受けたので、もう一度考えてみたくなり、取りあえず、DVDレンタルで『ジョゼと虎と魚たち』が借りたくなって、つたやに出かけました。

 ついでに新作のコーナーをのぞいていると『ウィニングパス』のタイトルを見つけました。肢体不自由の養護学校に勤めているので、タイトルだけは知っていました。ポスターも学校に貼ってありましたが、隣の施設で上映する時も、基礎講座で同時上映された時も見ることができなかった映画だったのです。

 …ということで『ジョゼ…』と『ウィンニングパス』と『仰げばとおとし』の3本を借りて帰ったのです。

 …ということで1本ずつ感想を書いていこうと思っています。昨日一日で2本、今日2本見たので見た順番に書いていきます。

 まず『ウィニングパス』ですが、ひとことで言えば啓発映画だと思いました。テーマとしては理解しやすいし、伝わってくるのだけれど、ストーリーも扱われているテーマもあまりに何が言いたいのか伝わりすぎて、解説本を読まされているような…「あとでここんとこ、テスト出すから良く見ておくように!」と言われているような気がしました。

 キャッチコピーは『失うことで、僕は手に入れた生きることの本当の意味を』

 高校2年の健太はバスケと彼女とバイクが生き甲斐。健太は友人たちと楽しい高校生活を送っていた。
 自分の可能性を信じたいという彼女に触発されて、健太も自分の可能性について考え始めて、お決まりの親とのけんか。雨の中をバイクで飛び出した健太は…やっぱり交通事故。
 事故で健太は下半身不随に…。「車椅子」現実を受け入れられず、周囲を拒絶する健太だったが、新しい出会いから、立ち直ろうとする。
 学校に戻った健太だったが、下半身の意識がなく、教室でおしっこをもらしてしまう。家に引きこもりそうになる健太を今度は、父親が支える。
 そんな健太を支えるのが、車椅子バスケチーム「北九イーグルス」だった。激しいぶつかりあいとスピード…まさに格闘技さながらの車椅子バスの世界に、健太は自分の居場所を見出していく。新しい人生をつかんでいくための、健太の挑戦が始まった…。

 ざっとこういうストーリーになるのだけれど、自己のために中途障害者になった高校生の気持ちはどんなだったろう?どうやって障害を受容していくのか?そのあたりの葛藤を考えると重いテーマです。

 つきあっっていた女の子の母親が、「自分もボランティアをしているから、よくわかる。あなた一人でどうにでもなるものではないのよ」と交際を反対する。学校に戻った健太に向かって「障害者だって同じなんだから、おしっこもらしたら自分で片付けるのが当たり前!」と主張していくシーン、「障害をもった俺の気持ちなんかわかるか!」と主張する兄に対して「障害者の兄をもった妹の気持ちがお兄ちゃんにわかるの?」と言い返していく妹の気持ちなど、社会的な問題から考えたい問題もいくつかありました。

 でも、最終的には「頑張る障害者」がテーマになっていて、脳天気さが気になる映画でした。


 

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