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モーリス・センダック原作の誰でも知っている絵本の映画化です。
この本は、今は大学生の子どもが小さい頃何度も読み聞かせた絵本です。
何とも不思議なかいじゅうの絵が印象的な絵本でした。
原作の基本は、よくある展開です。
家から異世界に出かけて冒険をしてまた家に帰るというよくありがちなストーリーなのです。
でも、かいじゅうがでてきたり、マックスがとても乱暴なところが子どもたちの共感を得ているような気がします。
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原作だとかいじゅうもWILD THINGSと表記されています。
WILDな子どもマックスがWILDな世界に行って、WILDな事物に出会うという話です。
そういった話をどういうふうに映画化するのかとても楽しみにしていました。
監督は、「マルコビッチの穴」で一躍有名になったスパイク・ジョーンズです。
きっと並大抵の仕掛けではこないだろうと思っていました。
実際映画を観ると、「そうくるのか…」という連続でなかなか見応えのある映画に仕上がっていました。
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原作の絵本はごくごく短い作品なので、映画にするにはふくらます必要があります。
映画は、スパイク・ジョーンズ監督の読み方そのものだと思いました。
まず、主人公マックスなのですが、原作でも乱暴者で、部屋に閉じこめられてしまうのですが、映画の中ではそれだけでなく、
周囲の気をひくために乱暴を働いているように屈折して描かれています。
観ていると発達障害の子どもに見えてきます。
自分だけのファンタジーの中にこもりがちだったり、
自分の世界に相手を巻き込もうとしてみたり、
学校で「太陽もやがて死んでしまう」と言われると
その言葉に縛られてしまうなどなど
観れば観るほど、発達障害の子どもなのです。
また、マックスという人物像を描くためにリアリティーをかぶせました。
マックスには姉がいて、でも姉は思春期にさしかかってマックスにかまってくれず、
友人たちを大事にしています。
母は仕事に忙しくて、マックスにかまってくれない。
おまけに恋人らしき男性が時々遊びに来る。
父親は離婚して家にはいない。
そんな状況のなか、マックスは突然切れて大暴れして、
怒った母親の肩に噛みついてそのまま外に飛び出した。
気がつけばどこかの浜辺。
彼の前にはヨットが一隻、それに飛び乗って大冒険の始まり…
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…たどりついた島には見知らぬ大きなかいじゅうたちが住んでいました。
「いったい誰なの?」「食べちゃおうか?」
とっさにマックスは作り話でごまかそうとします。
「僕を食べちゃだめだ!僕は王様なんだから」
これを信用してくれたリーダー格のかいじゅうと一緒に冒険が始まります。
島にいるマックスを観ていると虚言癖としか思えないような行動の繰り返しです。
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とはいえ、島にいる主要なかいじゅうたち7頭はそれぞれ、
とても個性的で擬人化されたものになっていました。
原作は、WILDな事物に出会うために旅に出て、自分のWILDさを理解してくれるかいじゅうたちに出会うのですが、
映画のそれは、WILDな事物ではなく、大変複雑な存在になっています。
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それほど、マックスの心は複雑になっているのでしょうか?
島に着いた時は、一番乱暴者のキャロルと仲良しだったけど、
そのキャロルも単に乱暴者ではないようだし…。
他のかいじゅうたちはもっと複雑な存在だし…。
島の生活を経てマックスはどんな成長をして帰っていくのだろう…
もっともっと語りたいのだけど、まだ観ていない人に迷惑になるからこのくらいにしておきます。
画像は10年以上前に買った指人形です。
押し入れの奥から引っ張り出して撮影しました。
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