映画「おとうと」を観てきました。
山田洋次監督の「おとうと」を観てきました。
吉永小百合、鶴瓶という豪華キャスティングに期待していました。
本当は公開初日に行きたかったのですが、土曜日日曜日と高知に行かなくてはいけなかったので、延び延びになっていました。
映画は、鶴瓶が愚かな弟役、吉永小百合がしっかりとした賢い姉の役ということで、「男はつらいよ」の世界が逆になったような映画かと思っていきました。
映画を見終わった感想は、「見ると聞くとは大違い」という作品に仕上がっています。
簡単にストーリーをかいつまんで言うと、
姉吟子(吉永小百合)は、東京の郊外で、夫なきあと小さな薬局を営み、一人娘の小春(蒼井優)を育て、夫の母親(加藤治子)と同居しています。
音信不通になっていた弟鉄郎(笑福亭鶴瓶)が突然、小春の結婚式に現れます。
以前も夫の十三回忌で酔っぱらって大暴れしたことが原因で音信不通になった鉄郎です。
一滴も飲まない約束で、披露宴に出席することを許してしまいます。
酒を前にして我慢できなくなって、披露宴を台無しにしてしまいます。
数年後再び現れる鉄郎にある出来事がきっかけで絶縁を言い渡します。
肩を落として出て行く鉄郎に不吉な予感を覚える吟子だったが…
そこから先を言い出すと映画に行った方が面白くなくなるのでこのあたりにしておきます。
披露宴を台無しにする鉄郎(鶴瓶)は、寅さん映画で言うと初期の寅さんです。
とらやの家族を絶望の淵に陥れる頃の寅さんです。
でも、鶴瓶演じる鉄郎はもっと毒々しいのかもしれません。
観ていて思わず目をつぶってしまったり顔をそむけたくなるほどです。
吟子と、小春の二人の穏やかな生活に波風を立てるのが鉄郎の存在です。
大学病院で知り合った医師との小春の結婚は、鉄郎の披露宴の件も原因だけど、育った環境の違い、夫の多忙そのことによって長く続きませんでした。
再び訪れた母、祖母、娘の穏やかな3人暮らし、そこへ突然、大阪からの来訪者が。
鉄郎の恋人だと名乗ります。
この女優どこかで見たなと思っていて、途中でやっと思い出しました。
パッチギのオモニ役で出ていたキムラ緑子さんです。
何ともけばい大阪のおばはんスタイルで登場です。
ヒョウ柄のスカートに安っぽいヒールの靴。
このあたりのところに鉄郎の大阪暮らしの様子を想像させる伏線が用意されています。
大阪の恋人の出現あたりから映画の様子はがらっと変わってきます。
再び現れた鉄郎は癌に冒されています。
しかも末期癌で、いろんなところに転移されています。
大阪の西成区で行き倒れたところを救急車で運ばれて、「みどりのいえ」という民間のホスピスに収容されます。
そこでは、身寄りのない人たちのターミナル医療のための民間施設です。
東京の山谷にあるホスピス「きぼうのいえ」をモデルに設定されています。
鶴瓶はホスピスでの生活での演技をリアルなまでの演じきります。
体重も実際に落としての演技だったそうです。
みどりの家の自室に大衆演劇の花形だった時代の古いポスターを貼ってあります。
鉄郎の気持ちはどんなだったんだろう?といろいろ考えさせられました。
吉永小百合はそういう弟に実に献身的な愛を注ぎます。
「そんな奴はおらんやろ?」とつっこみを入れたくなりますが、
吉永小百合が演じていると、実に自然に感じてしまうのは、私だけなのでしょうか。
最後に配役が見事だということも紹介しておきます。
役柄がはっきりしている人たちはそれぞれ実に自然ないい演技をしているのですが、
どうしてもみてほしい役者が二人います。
一人は、鉄郎の病室でずっと無言で付き添っていた次郎役の横山あきおさんです。
この人は、以前は漫才コンビでよくテレビに出ていた人です。
いつの頃からか、スクリーンで見かけるようになりました。
大きな役ではないけど、強烈な印象が残る人です。
もう一人は加藤治子さん演じるおばあちゃんです。
「大事な話をするからあっち行っていて!」と距離感を置かれながらの存在です。
吉永小百合演じる母親との微妙な関係がちょっとした緊張感を見せています。
そこがまたリアルな感じになっているのかもしれません。
吉永小百合と、笑福亭鶴瓶の卓越した演技に支えられた名画だと思います。
早くも今年の代表的な作品が登場したという感じです。
ぜひ観てほしい作品です。
山田洋次監督の「おとうと」を観てきました。
吉永小百合、鶴瓶という豪華キャスティングに期待していました。
本当は公開初日に行きたかったのですが、土曜日日曜日と高知に行かなくてはいけなかったので、延び延びになっていました。
映画は、鶴瓶が愚かな弟役、吉永小百合がしっかりとした賢い姉の役ということで、「男はつらいよ」の世界が逆になったような映画かと思っていきました。
映画を見終わった感想は、「見ると聞くとは大違い」という作品に仕上がっています。
簡単にストーリーをかいつまんで言うと、
姉吟子(吉永小百合)は、東京の郊外で、夫なきあと小さな薬局を営み、一人娘の小春(蒼井優)を育て、夫の母親(加藤治子)と同居しています。
音信不通になっていた弟鉄郎(笑福亭鶴瓶)が突然、小春の結婚式に現れます。
以前も夫の十三回忌で酔っぱらって大暴れしたことが原因で音信不通になった鉄郎です。
一滴も飲まない約束で、披露宴に出席することを許してしまいます。
酒を前にして我慢できなくなって、披露宴を台無しにしてしまいます。
数年後再び現れる鉄郎にある出来事がきっかけで絶縁を言い渡します。
肩を落として出て行く鉄郎に不吉な予感を覚える吟子だったが…
そこから先を言い出すと映画に行った方が面白くなくなるのでこのあたりにしておきます。
披露宴を台無しにする鉄郎(鶴瓶)は、寅さん映画で言うと初期の寅さんです。
とらやの家族を絶望の淵に陥れる頃の寅さんです。
でも、鶴瓶演じる鉄郎はもっと毒々しいのかもしれません。
観ていて思わず目をつぶってしまったり顔をそむけたくなるほどです。
吟子と、小春の二人の穏やかな生活に波風を立てるのが鉄郎の存在です。
大学病院で知り合った医師との小春の結婚は、鉄郎の披露宴の件も原因だけど、育った環境の違い、夫の多忙そのことによって長く続きませんでした。
再び訪れた母、祖母、娘の穏やかな3人暮らし、そこへ突然、大阪からの来訪者が。
鉄郎の恋人だと名乗ります。
この女優どこかで見たなと思っていて、途中でやっと思い出しました。
パッチギのオモニ役で出ていたキムラ緑子さんです。
何ともけばい大阪のおばはんスタイルで登場です。
ヒョウ柄のスカートに安っぽいヒールの靴。
このあたりのところに鉄郎の大阪暮らしの様子を想像させる伏線が用意されています。
大阪の恋人の出現あたりから映画の様子はがらっと変わってきます。
再び現れた鉄郎は癌に冒されています。
しかも末期癌で、いろんなところに転移されています。
大阪の西成区で行き倒れたところを救急車で運ばれて、「みどりのいえ」という民間のホスピスに収容されます。
そこでは、身寄りのない人たちのターミナル医療のための民間施設です。
東京の山谷にあるホスピス「きぼうのいえ」をモデルに設定されています。
鶴瓶はホスピスでの生活での演技をリアルなまでの演じきります。
体重も実際に落としての演技だったそうです。
みどりの家の自室に大衆演劇の花形だった時代の古いポスターを貼ってあります。
鉄郎の気持ちはどんなだったんだろう?といろいろ考えさせられました。
吉永小百合はそういう弟に実に献身的な愛を注ぎます。
「そんな奴はおらんやろ?」とつっこみを入れたくなりますが、
吉永小百合が演じていると、実に自然に感じてしまうのは、私だけなのでしょうか。
最後に配役が見事だということも紹介しておきます。
役柄がはっきりしている人たちはそれぞれ実に自然ないい演技をしているのですが、
どうしてもみてほしい役者が二人います。
一人は、鉄郎の病室でずっと無言で付き添っていた次郎役の横山あきおさんです。
この人は、以前は漫才コンビでよくテレビに出ていた人です。
いつの頃からか、スクリーンで見かけるようになりました。
大きな役ではないけど、強烈な印象が残る人です。
もう一人は加藤治子さん演じるおばあちゃんです。
「大事な話をするからあっち行っていて!」と距離感を置かれながらの存在です。
吉永小百合演じる母親との微妙な関係がちょっとした緊張感を見せています。
そこがまたリアルな感じになっているのかもしれません。
吉永小百合と、笑福亭鶴瓶の卓越した演技に支えられた名画だと思います。
早くも今年の代表的な作品が登場したという感じです。
ぜひ観てほしい作品です。
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