青の洞門草紙

家庭料理と酒肴の店「青の洞門」0742-41-9845 17:00~23:00 日曜休み(祝祭日営業)

神が打った一枚のもりそば

2013-11-12 16:28:56 | Weblog
昨日・今日と寒い日が続き、一気に冬が目の前に迫った気がします。朝のジョギングも、寒気に対抗して着込んで外に飛び出しました。
途中立ち寄った大渕池公園の木立ちも色づき始め、いよいよ秋の深まりを感じます。この気温だと一週間後の「都祁マラソン」は、山深い里のため寒い大会になりそうです。
元来マラソンは冬のスポーツですが、昔から寒さは苦手です。走り続ける四季の中では、春から夏、そして秋が汗をすぐにかけて好きなシーズンです。今からの季節は、ひたすら寒さと弱い自分に対峙して走らなければなりません。
さて昨夜はビデオで、そば職人高橋邦弘氏のドキュメントを見ました。そば打ち40年の高橋氏は、今やそば打ちに関わる人達の中では神様と呼ばれています。
高橋氏が打った一枚のもりそばは、僅か700円という値段です。そば打ちに大事な気温や湿度を考え、いい水を求めて山奥に店を構えた高橋氏のお店は、いつも行列が出来てます。
お店の営業は土曜・日曜・祝日のみで、平日は全国から集まった弟子の教育と各地でのそば打ちのイベントに積極的に参加しています。高橋氏のすごいところは、けっして威張らずに弟子の失敗にも声を荒げずに具体的に指摘することです。
大きなイベント会場でも、菊練りは弟子にさせても、後の延ばしやそばの包丁切りはすべて自分でこなします。ある会場では、51個の菊練りしたそばの塊を一人で仕上げていました。
高橋氏は東京勤務時代からテレビを見て知って、かつて修行した足利のお店にもそばを食べに行きました。高橋氏の影響で、そば切り包丁やそば鉢を買い揃えて、自分でも家で打っていました。
一時期そば職人には憧れましたが、なかなか腕は上がらずに今日に至りました。今は青の洞門で日々細々とした調理を行っていますが、今だに神のそば打ちには憧れます。
高橋氏は、来年には今の店を年齢上の体力的な面で辞めるようです。お店を辞めても、高橋氏のそば打ちは、各地のそば打ち教室などで見られるでしょう。神が打った一枚のもりそば、一度食べてみたいものです。


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