パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

責任者、出て来い

2010-03-15 20:19:58 | Weblog
 最近、また児童虐待死が増えているようで、立て続けの報道がなされている。

 その報道の一環なのだが、NHKのクローズアップ現代を見た。

 この手の番組を見るたび、思うのだが、論理的じゃないというか、知りたいことに一向に触れてくれない。

 今回のことで知りたいことは何かというと、児童虐待問題を扱う児童保護センターだかなんだかの「機能がまったく働いていない」とタイトルされていたのだが、どういう基準でそう言っているのか、それがはっきりしない。

 たとえば、今現在でも交通事故の死亡者は年に1万人くらいいる。

 これは年々減少しているということで、1万人の死者を出してはいるが、交通事故対策は「機能している」と言っていいだろう。

 実際、世間もそうみなしている。

 そのような見地から、児童虐待の防止対策は機能しているのか否か。

 それが知りたいのだ。

 要するに、自治体の担当部署が適切に対応して子供を救うことのできた事例はどれくらいあるのか、今回の死亡事故は、全体的には機能しているが、たまたま担当者のミスでおきてしまったのか。

 具体的に、ある担当者の怠慢ということだったあら、「責任者、出て来~い」ということになるが、クローズアップ現代は、「全体として機能していない」という視点のようだった。

 これは、厳しい意見のようで、そうでもない。

 指摘されたほうは、「ははー、申し訳ありません。以後気をつけます」で済んじゃう。

 役所というのは、個人の名前が出るのを極端に恐れるから、クローズアップ現代のような指摘は、本当に助かる。

 それから、最近、電柱の埋設が進んでいるが、これについても、じゃあ、なんでこれまで「埋設」しなかったのかという視点がマスコミにはまったくない。

 これは、電柱の「持ち主」が電力会社であることからわかるように、電柱の敷設は公共事業とみなされず、予算がつかなかったからなのだ。

 公共事業というのは、道路、港湾、空港、学校その他、たしか11部門だったと思うが、と慣例的に決まっていて、それには毎年必ず一定程度の予算がつくが、それ以外には予算はまったくつかないのだ。
 
 それが、IT産業の進展にともない、変化する需要に対応できないということで、亀井静香が、新資本なんとかという、新しい公共事業の「枠」を役人に認めさせた。

 それからなのだ。電柱の埋設化が進んだのは。

 しかし、本当のことを言えば、「枠」なんてものそのものを撤廃すべきなのだ。

 さもないと、たとえば、まったく採算の取れない地方空港がどんどんできてしまう。

 予算は、個々の事業ではなく、「枠」につくからだ。

 多分地方空港はもう作られないだろうが、欲しいものは作った後なんで、ぜんぜん役人にとっては痛くもなんともない。

 この、公共事業の「枠」のことは、10年近く前に本で読んだことで、その後、どうなっているのかわからないが、多分、同じだろう。

 公共事業を云々するのだったら、まずこの「枠」の問題から始めるべきだと思うのだが、マスコミはまったく不勉強だから、それを知らない。

 もしかしたら、知っているのかもしれないが、だとしたら、問題の重要性が見えていない亜ということで、知らないのと同じだ。

 まったく腹が立つ。 

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
済みません ((V)o¥o(V))
2010-03-22 21:06:28
 次の記事にコメントしてしまいました。
 正確にはこちらです。
 訂正します。

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