パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

無縁社会

2011-02-13 11:33:03 | Weblog
 新宿の蒼穹舎(新宿区新宿1-3-5新進ビル3F)、模索舎に、「風に吹かれて」を、納入。

 よって、こちらでもお求めになれます。 

 しかし、5年近い時間を費やしながら、費やす時間が長ければ結果よしというわけでもなく、分厚ければ、よしというわけでももちろんないという事実を、今、噛み締めている。

 あかんなあ、素人だなあとつくづく思う。

 気分が安定していないのだ。

 逆に言うと、写真が、自分そのものになってしまっている。

 その辺は、プロは違う。

 彼らは、たとえば、富士山を撮る場合、撮るのは「富士山」で、「自分」なんかじゃない。

 私は富士山の写真を撮ったことはないけれど、もし撮ったら、それは私を写したことと同じなのだ。(「私にとっての富士山」でも、なく)

 それは、盲人の撮る写真が、常に「自分(の脳裏の景色)」であることと同じだ。

 実際、盲人の写真を見て、「あれ、私のと似ている」と、思ったことがある。

 要するにプロのカメラマンは、市場における需要の在処を知っていて、写真をそれに合わせることで常に一貫しているけれど、じゃあ、その写真はそれを見る人にとって真に興味あるものか、というと、必ずしもそうじゃない。

 「よく撮れてるねえ」の決まり文句以上のものではなく、それとこれは、別の話、とくやしまぎれに後ろ足で砂をかける。

 それはさて、模索舎に納品した際、「ビッグ・イシュー」なんかは置いてないのですか?と聞いてみた。

 例の、ホームレスが街頭で売っているやつだが、「うちで扱ってもいい雑誌のはずですが、接触は一つもありません」とのこと。

 表紙がなぜかハリウッドスターだったりして、よくわからない雑誌だが、常に「ビッグ・イシュー」一冊だけを頭上にかざして売っているので、買う方としては、雑誌「ビッグ・イシュー」に興味があるのではなく、ホームレス支援のためという単一目的で買うことになる。

 そうではなく、何種類かの雑誌を売れば、買う方も買いやすいのではないかなどと少し話して帰ったが、帰宅後、NHKテレビで「無縁社会」をテーマにした討論番組をやっていて、ひな壇に並んでいた無職だったか、フリーターだったかの40過ぎの女性が、自分は月に2回、「ビッグ・イシュー」を買っていると言い、そのときに売り手のホームレスの人に喜んでもらえるのが、自分にもとても嬉しいことなのだと話していた。

 また、別のフリーター男性は、こう言っていた。

 「日本は縦社会なので、縦の関係が切れると、すぐに孤立してしまう」と。

 ここが肝心要の共通認識として共有されれば、問題は解決に向かう一歩を踏み出せるのだが、NHKは、ツイッターによる討論参加を呼びかる等、「今風」に乗り遅れまいと必死。

 早々に見るのをやめたが、「無縁社会」だなんて、江戸時代じゃあるまいし、あたかも社会が「縁」で成り立っているかのような、「いや~な感じ」で、なおかつ、社会学的にもきわめて不正確、というか、全然認知されすらいない、NHKの勝手な造語。

 繰り返すが、日本の社会が横の連帯を欠いていることが問題なのだ。

 それが、貧乏人を直撃しているのだ。

 以下、コピペによるお知らせです。お目障りでしょうが、しばらく続けさせてください。



 ついについに、構想5年、写真集「風に吹かれて」ができました。

 「写真集」の著者が撮ったにしては汚い写真だけれど、一応アップしておきます。

 総ベージ数、648ページ!

 内、写真論(映画論も含む)に127ページを費やし、その総文字数20万!

 分厚ければいいというものではないけれど、重量、1.5キロ!


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