パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

人を憎んで罪を憎まず

2010-02-09 15:53:45 | Weblog
 凶悪殺人事件の時効を廃止するように勧告が出て、民主党政権はこれを実行するようだが、どう考えても、これは賛成だ。

 ところが、世間、特に警察関係者は必ずしもそう思ってはいないようで、理由として、時間が経ちすぎると、証拠類が散逸したりして、容疑者を捕まえても、立件が困難になると言っていた。あるいは、証拠不十分のままの訴追で冤罪が増えるとか。

 そりゃー、容疑者を捕まえてからの話でしょ。

 あと、「許すという感覚も必要だと思う」という意見もあるようだが、「許す」っていうのも、犯人が捕まってからのことでしょ。

犯人が捕まらないのに、「許す」なんて、ありえない。

というか、犯人が捕まらないのに許すとしたら、それは、「殺人そのもの」を許すことになる。

つまり、「罪を憎んで人を憎まず」の正反対の現象が起きてしまう。

私が、凶悪殺人の時効にもっとも違和感があるのは、この点だ。

正直言って、時効が廃止されたからといって、世田谷の一家4人殺人事件が解決されるとは思わない。

時効があると、犯人逮捕の可能性はゼロになるが、時効がないと、ゼロではない、というだけだ。

やっぱり問題の本質は、凶悪な殺人事件の時効が成立してしまうと、「罪を憎んで人を憎まず」ならぬ、「人を憎んで罪を憎まず」ということを、法律で強制されてしまうことだと思う。

これは、被害者の肉親のみならず、人間一般として耐え難いことだ。

中には、「証拠をとっておかなければならないから大変」とかいう人が、専門家の中にすらいるが、とんでもないことだ。

病院の待遇に不満だった看護士が、病院の評判を落とすために患者に筋肉弛緩剤を投与して殺したと疑われて捕まった事件があったが、その公判で、警察が肝心要の証拠品である筋肉弛緩剤そのものを紛失してしまった。

こんなの、アメリカだったら警察が捕まり、容疑者は証拠不十分で即無罪ってことになるだろう。

テレビで、凶悪殺人事件の94パーセントは3年以内に捕まっているとか言っていたが、これも信じられない。

その「凶悪殺人事件」の基準は何なんだ?

昼寝をしていた女子高生が殺された事件、帰宅途中の女子小学生が縛られて刺し殺されてさ発見された事件、母親とその息子を殺し、駆けつけた警官の目を盗んで逃げた事件‥‥いろいろあって数え切れないが‥‥あ、まだ3年経過してないわけねwって、納得するわけないだろ。

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1 コメント

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最近の大学生ってやつは! (ぶさめん)
2010-02-11 19:06:18

ちょっと言いなりになってあげるだけで
簡単に3万くれるとか、、マ ジ キ チ w

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