パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

パープリン

2010-12-22 13:24:49 | Weblog
 日曜洋画劇場といっても、時々日本映画をやるけれど、多分それだったのだと思う。

 テレビをひねると、暗鬱なヘリコプターショットが流れ、カメラが一本の鉄塔に近づくと、そこに首吊り死体がぶらさがっている。

 あれ、かっこいいな、と思ったが,何処かで見たような。

 そうだ。

 石井隆の「五人」か、「五人2」だ。

 もちろん、「五人」でも、「五人2」でもない。

 和泉聖司監督の、超人気刑事ものシリーズで、お話に入ったら、石井監督のような緊張感はまるでなし。

 こんなのが、なんで人気なんだろう?

 いつになったら、日本では現実にあり得ない、「警官と犯人の銃撃戦」をやめるのだろう。

 和泉監督は,まんざら才能のない人ではないと思うのだが。

 それはしょうがないにしても、冒頭のクレジットタイトルの画像が、あまりにもあからさまな「パクリ」であることが問題だ。

 いや、石井監督をパクって、物語もちゃんと「暗鬱」な石井調で通せばそれなりに納得するのだが、タイトルだけ、というのが、作家としてあまりにも中途半端ではないか。

 たけしの「テレビタックル」で、「どうする、日本」的なテーマでだいぶ長時間やったらしいが、最後の方だけ見た。

 かつて、中国製品は、「安かろう,悪かろう」だったが、日本企業の現地進出に伴う「技術流失」により、「安くて、良い」品質に変わってしまった。

 日本企業は自分の首を絞めた、というような話になったところ、20代のフリーターだという男性が、「それは、日本企業だってわかってやっているはず。日本が景気が悪いのを中国のせいにしてもしょうがない。問題は、資本主義制度が社会のあり方にマッチしなくなっているのが原因だ。それは、通貨の発行権を私企業である銀行が握っていることが問題で…」

 と話し始めたところ、最近,この手の番組に、「にぎやかしのアホ」としてよく顔を出す、産經新聞のデブがいきりたち、「中国がチベットで何をしているか、ウィグルで何をしているかわかって言っているのか!」と、とんでもない見当違いの発言でさえぎってしまったが、このフリーター氏は実に良く勉強していると思った。

 結局彼の言いたかったことは、今や、銀行券ではなく、政府発行紙幣を大量に発行し、それでベーシックインカム的政策を実行せよ、と言いたかったのに違いない、と我田引水。

 いずれにせよ、「他国には真似の出来ない、日本の職人芸の伝統技術を絶やすことなく、後続世代に伝えることで、景気も回復するのではないか」との鳥越のパープリン(死語)発言にみんなうなずいているようでは、この先、暗い。

 

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