活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

質の低下が加速する新聞各社

2011-06-23 11:40:37 | Weblog
東電福島第一原発内に於ける、違法労働の実態は徐々に明らかにされてきているが、新聞各社の報道ぶりは週刊誌より緩慢である。この問題に先鞭をつけたのは「週刊東洋経済」ではなかったかと記憶している。

同原発内での違法労働の実態など、丹念な取材をもとにリポートされていたことは、目を見張るべきものが多かった。最近になってようやく、他誌にもこれを追認する記事が多く掲載されるようになってきた。

ところが新聞各社は前述のとおり、なにごともなかったかのような、事実を伏せた報道を連日繰り返している。これは東電や原発メーカーおよびその関連企業に遠慮して、社内で掲載することにためらっている姿を思い浮かばせる。同時に読者にはスポンサーの都合の悪いことは、提供しないという各社の思惑が感じられる。「正義」を完全に脱ぎ去ったとしか言い様がない。

このような背景には以前、朝日新聞社が経団連会長(当時)企業「キャノン」と副会長企業「パナソニック」で行われていた「偽装請負」を告発したことにある。おどろくことに、両社はこれを是正するどころか、逆に腹を立て、「見せしめ」として、広告の出稿を長期にわたり、停止した経緯を見逃すことはできない。

新聞各社はこれが「トラウマ」となり大企業の違法行為を記事化することに慎重になった。できれば載せたくないのだ。 質の低下が急速に進んでいることを示すものである。これでは読者離れも進むわけだ。これからは「味方にできるのは週刊誌。できないのは新聞」が定説になるかもしれない。


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