偽装請負に雇用関係認定、松下子会社に慰謝料命令…大阪高裁(読売新聞) - goo ニュース
松下電器の子会社、松下プラズマディスプレイ(以下PDP)が請負会社の社員を直接雇用するよう、大阪高裁判決で命令されました。大企業はじめ、中小企業の製造現場で広く浸透している「偽装請負」でした。
勤務実態がPDP社員の指揮・命令を受けていたことから、違法な偽装請負とし「最初から労働契約が成立していた」と認定。原告Y氏の勝訴となったものです。
企業は人件費節減策として、あの手この手で労働法違反を重ね、働く人たちの尊厳を傷つけていることから、どこの現場も殺伐とした空気に覆われています。「崩壊している現場」が数多くみられるのに、経営者は知らぬ振りをしています。
PDPの違法な労働実態を当の厚生労働省は告発もせず、文書指導程度で済まそうとしていました。高裁判決が出される前に、PDPの違法・脱法行為を見逃した役人の「無責任と腰抜けぶり」には、ただただあきれるばかりです。国民の税金でメシを食っているのに、働く人を味方せずに、大企業に尻尾を振っている役人の姿を覚えておきましょう。遠慮して、企業名さえ公表しない体たらくぶりです。
PDPだけでなく、経団連会長企業の「キャノン」や名だたる企業で常態化していることは、働く貧困層の増加原因がここにあります。儲けるために、なりふり構わず違法な労働を強いることは、経営者の精神も退廃しているのです。なにしろ法律違反に平気だからです。そのくせ、コンプライアンス遵守を暇さえあれば口にしています。
働く人たちが希望を持てない環境を、率先して築いたのが、このような経営者たちだからです。道徳心のない経営者ばかりが、目に付くようになりました。
PDPの親会社の松下電器は、こんかいの高裁判決を不服として、上告するとしていますが、グループ全体が偽装請負でピンハネしていたことと、見るべきです。グループの経営者たちは、法令順守していたら、赤字に転落するとでも思っているのです。
経営の神様「幸之助さん」も人を大事にしていましたから、嘆いていることでしょう。原告Y氏が勝ち取った判決は、企業の横暴に風穴を開けるものでした。本当の勝利はこれからですが、今後とも支援する必要を強く感じるものです。