活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

日産、赤字転落は人災

2009-01-26 23:10:40 | Weblog
日産自動車は09年3月期連結決算見通しを発表したが、当初見込みの営業利益2700億円の予定から、営業赤字に転落することがわかった。お決まりの世界需要減退と円高によるものと分析した。

ゴーン社長以下の役員報酬と管理職の賞与を減らすことも決めたらしい。この程度の減額に違和感をおぼえるが、もっと減額したらいかがだろう。ゴーン社長をはじめ、幹部役員は取り過ぎであったからだ。

コストカッターとして、00年華々しく登場したゴーン氏だが、主力の村山工場や座間工場など売却し、従業員2万人をリストラして、日産を再生させたとして、マスコミ等は経営手腕を高く評価してきた。

ゴーン氏は販売低迷が表面化した、昨冬にもさっそく派遣社員2千人を解雇した。日本政府に対しても「自動車産業に支援を。支援がなければ海外に移転することもある」と啖呵を切った。この「他力本願」ぶりはどうだろうか。経営者としては失格だ。

もともと日産はゴーン氏が登場しても、これといったヒット車はなかった。常にトヨタ、ホンダの後塵を拝していた。利益に貢献したのは、欧米の需要が好調であったことによるものだ。

国内市場では他メーカーも含め4.5年前から販売不振をかこっていた。若者のクルマ離れも顕著であった。公共交通機関の発達で、クルマがなくても不自由を強いられることもなくなった。さらに所得も上がるどころか下がり続け、クルマどころではなくなってしまった。

その一方、史上最高益を更新し続けた日産は、ゴーン氏以下経営陣と株主に利益を最大限に分配。剰余金も内部留保として積み上げた。

景気回復を下支えする最大の貢献者である従業員たちを粗末に扱い、内需拡大を怠ってきたことに対し、いまさら赤字転落といわれても「気の毒」という気はしない。「人を大切にしない」日産とイメージは拭い切れないからだ。

「本家日本で売れないクルマは世界に通用しない」と言われて久しいが、早くゴーン氏はそれに気づくべきだった。また、海外に工場を移転しても、日本人ほど勤勉な従業員はいないことも知るべきだ。

強欲ゴーン氏は利益を従業員や社会に還元することを知らない。経営者としての資質はゼロだ。努力している、中小企業経営者たちを見習え。


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